<世界斜め斬り>寝苦しい夜の三題ばなし(3)―熱闘続く甲子園、中国でも人気のサッカーで巨大イベント開催を!

Record China    2014年8月16日(土) 12時21分

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日本で「甲子園」といえば夏の高校野球選手権大会。今年も日本列島が熱狂していますが、気になることも多々あります。中国でも「甲子園」のような大会を開いたら、国民スポーツの普及に役立つのではないでしょうか。写真は全国高校野球選手権大会。

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1、これでも地元代表チーム?

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日本で「甲子園」といえば夏の高校野球選手権大会。今年も日本列島が熱狂しています。我が母校も鳥取県代表で8回目の出場ですが、気になるのは強豪校には県外からの生徒の比率が高いチームが多いことです。今年も中には18人中17人が県外生徒というチームがあるとか。

我が母校(全員県内生徒)は予選の決勝戦で17人県外生徒のチーム(阪神の能見も県外OB)を破っての出場です。地元の子が殆どいないチームには地元県民は応援に力が入るわけがないでしょう。

県外から有力選手を導入して校名を高めることは有効な学校経営策です。しかし県代表という看板に違和感を覚える者としては、例えば外国人枠を設けているスポーツもあるように、少なくとも半分の9名の地元生徒での構成を義務つけるという提案は、器量が狭いのかなと考えて、今夜も眠れません。

2、甲子園の砂

今年も甲子園の敗戦チームの選手が懸命に砂を集める姿を多くのカメラマンが身を寄せて熱写しています。そんなにグランドを荒らしていいのかなと、ちょっと見飽きましたが。

 

砂を取る発端は、小倉高校の福島投手が、3連覇のかかった昭和24年の大会で、準々決勝の倉敷工戦で故障もあって10回裏にサヨナラ負けを喫した瞬間に、何気なくマウンドの砂を取ってポケットに入れたことにあるようです。それがマスコミで報じられたのでしょう。

自然のしぐさで映画の一つの名シーンを観るようだったのでは。

 

優勝チームは砂を取るチャンスがないので敗戦チームの特典ですが、私も甥っ子が母校の出場チームの部員で(故障でベンチ入り出来ず)、小さな瓶に入れられた砂を分けてもらいました。棚にありがたく飾りましたが、結局、砂は砂だなと注意しなかったせいか、何回かの引越で無くしてしまいました。

 福島投手のシーンが目に浮かぶたびに、今の選手の砂集めは記念品集めだとすれば、いっそ出場チーム全部に大会本部は砂袋を提供したらと思いますが。売店で砂を売って儲けるようなセコイことはしないでしょうが。

3、熱中症は現代病?

今になって不思議なのは、昔は運動選手の練習中には水を飲ませませんでした。それでも倒れて死んだという話を聞いた覚えがありません。

ただ、あるチームの選手の話では、グランド近くの川に、ボール探しのふりをして川の水を飲んでいたと打ち明けられましたが、それでも皆が暑さに耐えて頑張っていました。

 

時代は変わって現代、時々生徒が集団で倒れて病院に運ばれたというニュースを見聞きするようになりました。昔とどうして様変わりしたのでしょうか。考えられるのは、第一が、地球温暖化で昔より気温が上昇した、第二が生活環境が向上して耐暑力が減少した。要するに動物的対応力が低下して弱くなったのではないでしょうか。生活が便利になった裏にはちゃんと動物力低下というコストを払っているようです。

 

それに昔に花粉症ってあったでしょうか。私は杉の木の多い山陰の山間部で育ちました。洟(ハナ)垂れ坊主はごろごろいましたが、今の花粉症のような症状の大人を見た覚えがありません。これも現代日本人の体質劣化の結果、自然対応力が落ちたのではないかと考

えると寝苦しいばかりです。

<番外>

ところで、中国では、サッカーバスケットボールなどで、限定的な全国選抜大会があるものの、甲子園野球大会のような伝統の国民的な大スポーツイベントは見当たりません。北京五輪(2008年)は国威発揚には役立ったでしょうが、その後、国民大衆にスポーツが浸透したとは言い難いようです。

スポーツ大国を目指す中国の次の目標はサッカー・ワールドカップの開催。中国チームの監督に欧州や日本の有力指導者を招請していますが、草の根の国民スポーツを根付かせることが先決ででしょう。まずサッカーで1敗も許されないトーナメント方式の大規模高校大会を開催するのも一案では。各省県から勝ち上がった大会は人気を呼ぶ違いありません。

      

吉田忠明(よしだ・ただあき)

鳥取県生まれ、昭和32年一橋大学経済学部卒、同年大蔵省(現財務省)入省、在香港総領事館領事、横浜税関長、東京国税局長などを歴任。その後トマト銀行社長、会長などを務めた。

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