腐敗した役人にスポットライトを当てた中国のテレビシリーズ―英メディア

Record China    2024年1月17日(水) 15時0分

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英フィナンシャル・タイムズは13日、「腐敗した役人にスポットライトを当てた中国のテレビシリーズ」と題する記事を掲載し、中国国営中央テレビがこのほど放送した反腐敗を訴える特別番組について取り上げた。

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仏RFIの中国語版サイトによると、英フィナンシャル・タイムズは13日、「腐敗した役人にスポットライトを当てた中国のテレビシリーズ」と題する記事を掲載し、中国国営中央テレビ(CCTV)がこのほど放送した反腐敗を訴える特別番組について取り上げた。

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記事は、「持続発力 縦深推進」のタイトルで4日連続で放送された反腐敗特別番組について、「中国のサッカー行政当局の失敗に加え、数兆ドルに達する地方自治体の債務の蓄積をめぐり省級の役人らが名指しで非難されるもので、その重荷が、金融システムと世界第2の経済の安定を脅かしている」「中国中央銀行の幹部の腐敗にもスポットライトが当てられている。習近平(シー・ジンピン)政権が金融システムに対する党の管理を集中させる中、中央銀行はますます政策決定から遠ざけられている」「反腐敗の新たな推進は、1年前にパンデミック時代の制限が終了して以来、ペースが上がらなかった脆弱な経済回復を強化する能力に対する中国の政策立案者らの信頼回復を目指す中で行われている」などと伝えた。


記事によると、ドキュメンタリーシリーズの一つのエピソードは、貴州省南西部の炭鉱都市、六盤水市の共産党書記長だった李再勇(リー・ザイヨン)氏に焦点を当てている。国営メディアによると、李氏は2014年から17年までの任期中、大規模なウインタースポーツには不向きな地域である梅花山の近くに「虚栄の」スキー場を含む観光プロジェクトを建設するために市に1500億元(約3兆円)を超える借入を要求した。番組内で放送された告白によると、市のGDP全体に相当する資金を使うという李氏の決定は政治的野心から来ていた。李氏は、「大々的に」上層部の注目を集めて党内での地位を上げたかったとし、「もしそれが自分自身のプロジェクトだったら、絶対に(それほどの額は)借りないだろう」「私は数年後にその職を離れることになる。私の職を引き継ぐ者が負債の責任を負うことになる」と語った。別のエピソードでは、中国人民銀行の副総裁だった范一飛(ファン・イーフェイ)氏が「投資プロジェクト」や「金融商品」を装って賄賂を受け取り、弟が所有するダミー会社を通じて現金を隠していた経緯を詳しく語った。


チャイナ・メディア・プロジェクトのディレクターで中国のプロパガンダの専門家であるデビッド・バンドゥルスキー氏は、汚職役人が富を騙し取る様子を描いたこのシリーズについて「党の指導部と統治を美化し、役人個人を悪者にするという『非常によくあるパターン』に従っている」とみている。

中国の宣伝機関や法制度も自白に依存することが多く、専門家らは自白が強要されたものだと長年批判してきた。

12年に習氏が中国共産党の指導者に就任して以来、中国の反腐敗調査は、何百万人ものいわゆるトラとハエ、すなわち高級官僚と下級官僚をターゲットにしており、反腐敗と対立する政治派閥の排除という二重の目的を果たしてきた。

このテレビシリーズは、習氏がこのほど、国営メディアに掲載された演説で、中国の企業、国家、共産党機関に向けて腐敗問題を警告する中で放送された。

規律委員会はこのほど発表したコミュニケで、習氏の長期にわたる反腐敗運動は党の高度な「自浄作用」を示していると述べた。

バンドゥルスキー氏は、CCTVのシリーズは本物の不正行為を浮き彫りにしているが、「本当の腐敗はシステムの本質にある」とし、「中国における反腐敗キャンペーンは常にプロパガンダキャンペーンだ。腐敗は風土病であり、構造的な責任がほとんどなく、政治的な取引が多用されるシステムによって権限を与えられている」と指摘する。

李氏と范氏を含む容疑者の多くにどのような刑罰が下されたかは公表されていない。しかし、監視機関ににらまれている可能性のある関係者の多くは、反腐敗への誓約を急いで表明している。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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