天津大学が恋愛科目を設置、何を学ぶ?シングルから脱出できる?―中国

人民網日本語版    2024年1月14日(日) 17時0分

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天津大学は恋愛科目を設置している。

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天津大学は近年、「愛と幸福」を学問としてカリキュラムに組み込んだ。恋愛科目と幸福科目が全大学共通の選択科目として設置されると、学生の間ですぐに人気科目になり、同大で受講するのが最も難しい科目の一つになった。中国青年報が伝えた。

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誰もが愛されたい、幸せになりたいと心から願うが、どうやって愛と幸福を手に入れるかというのは難しい問題だ。際立つ研究成果を上げたある博士課程在学生は、「恋愛は研究よりずっと難しい。研究は努力すればできるが、恋愛はそうはいかない」と話す。ある成績優秀な女子学生は、「自分の喜びがごく表面的なものに過ぎないのは自分しかわからない」と話す。

恋愛科目に出席すればシングルから脱出できる?

「恋愛科目」を担当する同大心理健康教育センターの専任教員の王小玲(ワン・シャオリン)さんは、学生に一番よく聞かれる「恋愛科目を取れば、シングルから脱出できますか」との質問に対し、いつもにっこり笑いながら「これは『シングル脱出のための科目』ではないし、いわゆる『恋愛のテクニック』をたくさん学ぶ科目でもありませんよ」と答えるという。

感情を巡る問題は青春時代の若者が広く関心を寄せる。王さんは「エリクソンが提唱した発達理論によれば、人はそれぞれの発達段階に達成すべき課題があり、18~25歳の大学生が直面する人生の課題は親密感を育み、孤独感を乗り越えることだ」と話す。

恋愛科目ではグループ形式でさまざまな体験型授業を展開し、「告白のシミュレーション」の部分を設け、勇気を奮い起こし、恐れに打ち勝つようにと受講生を励ます。「けんかのシミュレーション」では、相手の立場に立って考えて、理解し合い、自分を適切に表現することを学ぶ。

この科目では「愛」以外にもたくさんの内容を幅広く学び、具体的には人とどのようにコミュニケーションを図るか、人とどのように付き合うか、健全な恋愛観・結婚観・家庭観をどのように構築するか、自分自身・家庭・国を愛することなどを含む愛する力をどのように高めるかを学ぶ。

自分は不幸だと考える原因は?

学生の間で「恋愛科目」と同じように人気があるのは「幸福科目」だ。幸福科目のカリキュラム責任者の楊麗(ヤン・リー)教授は心理面の健康に関わる教育に携わって20年以上になり、「張り詰めて緊張が続く状態より、メリハリのある状態の方が幸福を感じやすい」との見方を示す。

楊さんは授業に先立って、いつも学生に「あなたは何が好きですか」と聞くようにしている。多くの学生が「そんなことをこれまで真剣に考えたことがなかった」と答えるという。

同科目の担当教員の陳楽(チェン・ラー)さんは、「一部の学生は頭で考えてばかりで行動することが少なく、単純なことを難しく考えがちで、何もしていないのに心がすり減っている。こうしたことが今、大学生が自分は不幸だと考える原因になっている」と話す。


こうした学生によく見られる問題について、楊さんは幸福を車輪にたとえて人には健康、人間関係、お金、人生の「四輪」があるとし、それぞれの幸福感をどのように高めるかを考えるという方法を提起している。

幸福科目のカリキュラムはポジティブ心理学、臨床心理学、健康心理学、中国の伝統文化などの学科と分野における幸福に関連した知識や内容を盛り込むと同時に、大学生の特徴やニーズを踏まえ、大学生の心の健康カリキュラムと相互に補完しあう。

学生が同大で「没入型」の恋愛科目と幸福科目をすべて学び終えても、すぐにシングル脱出の効果が表れるわけではない上、幸福感に包まれるわけでもない。しかし学生らは自身の心に現れた微細な変化を喜びをもって受け止めている。 1つの学期が終わり、ずっと「独りぼっち」だという女子学生は、「無条件で自分を受け入れられるようになったこと」が最大の収穫だという。学部生の鍾鴻坤(ジョン・ホンクン)さんは、「これまで幸福を追求するのは手の届かない流れ星を追いかけるようなものだと考えていたが、今は幸福とは実は自分の心の中に光るほのかな輝きだということがわかった。そのことが自分に困難や挫折に向き合う勇気を与えてくれた」と話す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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