中国のネット通販で「アインシュタインの脳」が売れ行き好調、当局は規制を主張

Record China    2024年1月7日(日) 20時0分

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中国のネット通販プラットフォームでは、「アインシュタインの脳」や「幸運スプレー」などと銘打った商品の売れ行きが好調だ。一部の当局は規制を主張し始めた。

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中国のネット通販プラットフォームでは「アインシュタインの脳」や「幸運スプレー」などと銘打った商品が出品されている。売れ行きは上々だ。しかし江蘇省消費者権益保護委員会は、法律違反の可能性があるとして規制の可能性を示唆する「警告文」を発表した。

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販売側は「アインシュタインの脳」の効能などをもっともらしく述べ立てるが、本物の「アインシュタインの脳」が入荷できるはずはない。販売側は「代金を支払えば、自動的に(購入者の)脳に生じる」「知能指数を+1」「家族や友人への贈り物に」などと宣言している。売り上げ上位のショップでは、「アインシュタインの脳」の売り上げが4万件を超えたケースもある。価格は通常、0.01元から0.5元(約0.2-10円)だ。

販売側が実際に配送することはなく、消費者もそのことを知っている。購入側は、「よい意味」を持つ商品を注文することで、なんとなく前向きの気分になって勉強などのストレスを緩和しようとしているだけだ。中国ではこの種の商品が「虛擬(シューニー)商品」(バーチャル商品)と呼ばれている。

しかし江蘇省消費者権益保護委員会(以下、「消保委」)は3日、法律違反の可能性があるとして、規制の可能性を示唆する「警告文」を発表した。消保委はまず、「虛擬商品は精神をやわらげくれる」と認めた上で、「現実世界ではやはり、法の追及を受ける」と表明した。


消保委は、関連する法律を複数挙げ、例えば「公告法」は「広告は虚偽又は誤解を招く内容を含んではならない」と定めていると指摘。「アインシュタインの脳」の場合、実際には存在しない効能を、販売側は「真顔」で宣伝しているとして、法律の定めに反していると論じた。

消保委は「虛擬商品」について、「販売側と消費者の間の暗黙の了解に依存して機能している」ことも認めた上で、消費者が販売側の説明を事実と認識すれば、販売側には「消費者の知る権利を侵害することで広告法や消費者保護法などの法律に違反した疑い」が生じると主張した。

消保委は販売者とネット通販のプラットフォームに対して、「虛擬商品を販売する際には虚偽の宣伝を行ってはならず、商品宣伝ページで商品の真実の状況を説明し、消費者とのトラブルが発生しないようにせねばならない。プラットフォーム側は、この種の商品について、販売後の管理規則を制定すべきだ」と表明した。

なお、アルベルト・アインシュタイン氏の脳は死の直後に、「20世紀を代表する天才の一人であり、その脳を一般人の脳と比較することで、研究に役立てることができる」として遺体から摘出された。実際にその後の研究を通して、一般的な人の脳との違いが発表されている。脳の摘出については、本人や遺族の承諾を得る手続き上の問題があるとの指摘も出たが、アインシュタインの長男で物理学者のハンス・アルベルト・アインシュタイン氏は「権威ある科学雑誌に掲載されるような研究」のために利用することに限って、父親の脳の利用を認めた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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