米テレビ局のCNNはこのほど、「2024年には訪れることのできない場所」と題する記事を発表した。ただし、取り上げた場所は2024年通年で訪問不能なのではなく、「訪れられない期間がある」場合も含まれる。同記事は台湾で2023年に崩壊した観光名所の「象鼻岩」も取り上げたので、台湾メディアの自由時報やTVBSは、「象鼻岩」の関連部分を中心にCNNの記事を紹介した。

「象鼻岩」は、台湾北部の新北市瑞芳区の人気の観光スポットだった。海水が海岸の岩石を侵食して穴を開け、横から見た巨大ゾウを思わせる光景が成立した。しかし2023年12月16日に、観光客が「ゾウが崩壊」しているのを見つけた。地元の瑞芳区役場は「崩壊は時間経過の必然であり、復元や再現の必要なない」との考えを示した。

CNNは、それぞれの「訪れることのできない場所」について、代替案も示した。「象鼻岩」については「台湾を体験するならば、多くの選択肢がある」として、「太平山翠峰湖環山步道」を訪れることを提案した。この遊歩道は、静かな自然環境を守ることなどを趣旨とする、米国に拠点を置く非営利団体の「クワイエット・パーク・インターナショナル」により、「静かな遊歩道」に認定されているという。

CNNは「2024年には訪れることのできない場所」として、アジアではパークハイアット東京も選んだ。パークハイアット東京は米国に本拠地を置く国際的なホテルグループのハイアットホテルアンドリゾーツの高級ホテルとして、東京・西新宿で1994年7月に開業したが、改装のために2024年5月7日をもって一時休館する。営業再開は2025年春の予定だ。記事は映画「ロスト・イン・トランスレーション」の撮影場所になったパークハイアット東京の最上階の52階にあるニューヨークバーは1月中に営業を休止することも紹介した。パークハイアット東京の発表によると、ニューヨークバーの営業休止は1月9日から3月31日までだ。

CNN記事がその他に紹介した「2024年には訪れることのできない場所」には、米ワシントンにあるスミソニアン城やドイツのベルリンのペルガモン博物館のように、建物の老朽化に伴う改修工事で一時的に閉鎖されるケースも目立つ。また、「奴隷制を美化する危険な映像作品」と長らく批判されてきた映画作品の「南部の唄」から着想を得た米フロリダ州のディズニーランドにあった「スプラッシュマウンテン」のような施設もある。（翻訳・編集/如月隼人）