このままでは日本の二の舞い?韓国教育部の方針を専門家が懸念=韓国ネット「それでも日本は…」

Record Korea    2023年12月31日(日) 20時0分

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27日、韓国メディア・毎日経済によると、大学修学能力試験の数学領域について韓国教育部が出題範囲を削る方針を示したことに、数学界から懸念の声が上がっている。写真はソウル。

2023年12月27日、韓国メディア・毎日経済によると、大学修学能力試験(修能、日本の大学入学共通テストに相当)の数学領域について韓国教育部が出題範囲を削る方針を示したことに、数学界から懸念の声が上がっている。

現在の修能の数学領域出題範囲は「共通科目(数学1、2)と選択科目(確率と統計、微積分、幾何)から1つ」となっている。これを2028学年度から共通科目(代数、微積分1、確率と統計)のみとし、「深化数学(微積分2+幾何)」という選択科目は設けないとする方針を先ごろ教育部が発表した。これについて、理工系の教授らが「学生の基礎学力が低下し、長期的には国家競争力の低下を招く」と懸念を示しているという。

記事は、微積分と幾何が選択科目となった現行の修能制度により、すでに理工系の学生の学力低下が深刻な状況にあると伝えた。ソウル大学では今年、理工系の新入生を対象に数学の特別試験を実施した結果、点数が低く高校の数学課程を再度学習する必要があると分類された学生が全体の41.8%に達したという。ソウル大学データサイエンス大学院の初代院長を勤めたチ・サンギュン特任教授は、「微積分と幾何は理工系だけでなく経済学、芸術にも必要な内容。難しいからといって除外するのではなく、面白く教えることを考えるべき」と話している。ソウル大学数理科学部教授のパク・ジョンイル大韓数学会会長も、「科目の難易度に関係なく、各学年の水準で必要なことは学ばなければいけない」と指摘する。さらに亜洲大学数学科のチェ・スヨン教授も「微積分と幾何を学ばなければ、全体的に数学力が低下するのは火を見るより明らか」「韓国版のゆとり教育が始まる」と日本を引き合いに出して警鐘を鳴らした。

この他にも多くの理工系専門家が「AI時代こそ微積分と幾何は重要だ」「深化数学教育は削るよりむしろ拡大すべきだ」「高校では最低限の数学だけを教え、あとは大学で教えればいいというのはナンセンスだ」と声を上げた。パク会長は「かつて物理が選択科目となったことで受験者が減って市場が縮小し、教科書や参考書の質も下がり、学習基盤が縮小した。数学もそうなるだろう」と懸念を示した。

数学の出題範囲を縮小しても、私教育市場が縮小することはないだろうとの声も上がっている。パク会長は「過去20~30年間で教科課程は縮小され続けてきたが、私教育市場は反比例して拡大してきた。私教育問題は入試システムの問題であり、出題範囲の問題ではない」と指摘した。

李周浩(イ・ジュホ)副首相兼教育部長官はこれまで、「超難問を解くこと中心の従来の数学教育により、子どもたちが興味を失い、ストレスを感じる問題があった」「より楽しく学び、将来に必要な数学力、思考力、問題解決力を備えられるよう、深化数学は除外することが望ましいという意見が多い」「難しすぎる領域をすべての子に勉強させることが不必要な私教育を誘発してきた」などと述べている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「理工系に進むなら微積分は勉強しないと駄目なのでは?理系と文系で数学の難易度を変えるのは分かるけど、理系の数学そのものを易しくするのはおかしいと思う」「英語もどんどん易しくなってるよ。全国民下方標準化」「それでも日本はノーベル賞受賞者を輩出し続けている。修能ではなく、大学教育の問題だ」「米国は中高校生に徹夜で試験勉強させて超大国になったか?生徒が自ら好奇心を持って興味のある分野を学べるように誘導するのが教育だよ」「高校卒業後、三角形の面積を計算することすらないのに、微積分なんて」「大学に入ってから学べば十分だと思う」など、さまざまな声が寄せられた。(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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