中国地方政府が債券発行の準備開始、「新規特別分は45兆円強?」と専門家予想

Record China    2023年12月31日(日) 22時0分

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中国各地の地方政府が新年の債券発行計画の準備を開始した。地方政府の債務リスクが懸念されているが、専門家は新規特別債券が2兆2800億元前後になると予想した。写真は重慶市。

中国各地の地方政府が経済安定と投資促進に向け、新年の債券発行計画の準備を開始したと中国メディアが報じた。地方政府の債務リスクは不動産不況と並んで「ポストコロナ」の経済成長の足を引っ張る要因ともされるが、専門家は新規特別債券が2兆2800億元(約45兆6000億円)前後になると予想した。

ロイター通信などによると、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が27日公表した第14次5カ年計画の中間報告は内需を拡大し、迅速な景気回復を確かなものとし、安定成長の促進に努めるとの方針を示した。

鄭山傑・共産党書記兼国家発展改革委員会主任は26日の会合で「消費の回復と拡大を優先し、大量消費を安定化し、サービス消費を促進する」と言及。さらに中所得層の拡大を目指した改革を加速させるとした。

不動産不況や地方政府の債務リスク、世界経済成長の鈍化を背景に中国当局は最近数カ月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気てこ入れ策を明らかにしてきた。鄭氏は「中国は市場志向の改革と制度開放を深化させ、発展を後押しする」と説明。「不動産や地方政府債務、中小金融機関のリスクの解消に向けた調整により、主要分野でのリスク防止と解消に取り組む」とした。

こうした中、中国網によると、中国財政予算績効専門委員会の副主任委員である張依群氏は上海証券報の記者に「地方が2024年の債券発行計画活動を開始したことは、24年の財政政策が早期発効することを意味する」と言明。「重大プロジェクトおよびインフラは依然として、安定成長の重要な足掛かりだ。24年第1~3四半期には地方債券の発行が適度に拡大され、通年で全体的にバランスを保つ見通しだ」と述べた。

今年の9兆元超の地方政府債券発行は終わりに近付いている。特別債券情報ネットワークのデータによると、25日までの年内の地方債券発行額は9兆3424億元に上っている。うち新規特別債券は3兆9555億元、新規一般債券は7016億元だ

中国債券情報ネットワークのデータによると、このほど河北省、山西省、海南省、江蘇省などが24年第1四半期の地方政府債券発行計画を発表した。規模は2200億元を超える見込みという。

財政部は先ごろ、「国務院の手配と関連活動計画に基づき、24年度の一部の新規地方政府債券発行額を前倒しで割り当て、地方の資金調達の需要を合理的にサポートする」と発表した。専門家は「来年は新規地方政府債券の前倒し発行額が上限60%で割り当てられ、うち新規特別債券が2兆2800億元前後になる」とみている。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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