中国各地で「夜間スクールブーム」、そのワケは?

人民網日本語版    2023年12月30日(土) 23時0分

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中国で最近、「夜間スクール」が再び人気を集めている。

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中国で最近、「夜間スクール」が再び人気を集めている。ダンスや声楽、無形文化遺産のハンドメイド、メイクアップ、フィットネス、書道、フラワーアレンジメントなど、若者の趣味や価値観などにマッチしたバラエティーに富んだ内容となっており、多くの若者がそれらに心のよりどころを見出している。

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複数のプラットフォームのデータによると、今年、「夜間スクール」の検索回数が前年同期比で980%増、関連する書き込みとレビューの数は同比226%増に達した。オフラインでは定員1万人の教室に65万人が殺到するという事態も生じており、ネットユーザーからは「祝祭日の列車チケット争奪戦より激しい」という声も上がっているほどだ。

「夜間スクールブーム」はまず上海から始まった。上海市群衆芸術館が開設した「上海市民芸術夜間スクール(秋季)」の27クラスは、受講者募集開始からわずか3分ほどで全て定員に達してしまった。


「夜間スクール」の目的について、多くの受講者は「ストレス解消」を挙げる。「ストレス解消」や「趣味を増やす」以外に、「手頃な料金」も、多くの人が「夜間スクール」に通う理由だ。例えば、わずか500元(約1万円)で、約2カ月かけて12回のレッスンを受講でき、その内容もバラエティーに富んでいて、誰でも何かしら興味を抱ける教室を見つけることができるようになっている。また、講師のレベルが高いことも、多くの人が「夜間スクール」に精を出す理由となっている。

上海市群衆芸術館の徐皓(シュー・ハオ)副館長は、「当館には、国有文芸院(団)だけでなく、協会の講師や民間芸術機関、さらに無形文化遺産の伝承人、国家級、市級の無形文化遺産伝承人などがそろっている」と説明する。

受講者だけでなく、講師も多くの収獲を得ているようだ。講師は受講者に高く評価されるだけでなく、自分の好きなことを人に教えることで、自分にとってもたくさんの学びを得ている。例えば、相声(日本の漫才に相当)教室の周講師は、「私もたくさんのことを学ばせてもらっている。受講者は相声に、自分の生活で経験していることなどを織り交ぜており、はっとさせられることがよくある」と語る。

杭州文化館は若者を対象にしたコーヒー教室やウクレレ教室、演技レッスンなどを開設し、平日の夜や週末のクラスを増やしている。

山東省淄博市の各区・県は女性を対象とした「夜間スクール」を開設している。ハイクオリティーライフ系や親子関係系、生活・ヘルスケア系など7ジャンルの教室があり、レッスン回数はこれまでに延べ1000回に上り、5万人以上が受講してきた。


河南省洛陽市洛龍区は切り絵、パン・ケーキ、フラワーアレンジメント、茶道、スマホ写真撮影などが学べる教室を開設しており、市民が充実したナイトライフを送っている。

中国社会科学院財経研究院の夏傑長(シア・ジエチャン)副院長は、「夜間スクールブームは若者の間で文化的生活を送りたいというニーズが高まっていることのほか、その充実した心や夢を追いかける気持ち、自分を高めたいという生活理念を反映している。また、夜間スクールが各地で人気となっていることは、公共文化サービスが根付いていることを反映しているほか、各地が積極的に模索し、変化を求める決意をしていることも反映している」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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