国際市場で力を発揮し続ける中国のEV―中国メディア

Record China    2023年12月28日(木) 10時0分

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中国の総合金融情報ポータルサイトの金投網は12月25日、中国の電気自動車(EV)が欧州やアフリカなど国際市場で持続して活躍する現状を伝えた。

中国の総合金融情報ポータルサイトの金投網は12月25日、中国の電気自動車(EV)が欧州やアフリカなど国際市場で持続して活躍する現状を伝えた。

記事は直近の動きとして、「中国のEVメーカーBYDがハンガリーに欧州最大のバッテリー工場を建設中である」とし、「2030年までに欧州のEVシェアトップ10入りを目指すとともに、地域に大量の雇用増をもたらすだろう」と伝えた。一方で、「ハンガリーは欧州連合(EU)加盟国であるため、中国の自動車メーカーに対するEUのダンピング調査結果が中国製EVの将来的な展開に影響を与えるかどうかを注視する必要がある。顧客はつまるところ欧州に向いているからだ」との見方も示した。

また、「フランスの現行政策は現地企業あるいは欧州に工場を有する自動車メーカーに補助金を支給しているため、今後EUが同様の施策を実施した場合、中国の自動車メーカーに対する影響は大きくないだろう」とする一方、「米国の方針を参考にした場合は楽観できない。米国は国産自動車だけでなく、バッテリー製造と原材料調達においても、自国か同盟国のみに補助金を支給するからだ」と述べた。

世界をリードする中国製EV

記事は、中国製EVの欧州での市場展開が抱えるもう一つの問題として、「経済学的観点から欧州経済の後退を考えないわけにはいかない」と指摘。「ドイツでは景気後退がすでに始まっており、戦争と米FRBの金利政策の影響により需要が減少することは、欧州向け自動車輸出に従事する中国のメーカーにとって好ましい状況ではない」とし、「将来的に最も憂慮されるのは、米国が先導し欧州が盲目的に追随することだ。特に米国が進める中国への依存度の削減は実質的なデカップリングの一部であり、EVはその一例にすぎない」とした。

一方で、「米国は中国と協力する必要があるため、結果は同じになるだろう」とも予測。「原材料の精錬から最終生産までの工程で中国はリードしている」とし、「英国の電池原材料のシンクタンクであるベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス(Benchmark Mineral Intelligence)によると、中国は世界のバッテリー供給量の4分の3を占めており、自動車の汎用バッテリーであるニッケル、マンガン、コバルト電池の価格も米国産より15%安い」と指摘した。テスラ、ゼネラルモーターズ、フォードが自社モデルに採用している低コストのリン酸リチウム電池は、90%以上が中国製で、フォードは中国のEV用バッテリーメーカー寧徳時代(CATL)から技術供与を受けなければならないという。

また、「バイデン政権は米国製バッテリーに1キロワット時35ドル(約4984円)の補助金を支給したため価格差は縮まったが、中国メーカーもコストを削減している」とし、「最も重要なことは、バッテリー技術の次の波で中国がリードしていることだ」と強調した。

バッテリーの新技術で現在最も話題性があるものにナトリウムイオン電池がある。記事は、「ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスによると、現在世界中で計画中あるいは建設中のナトリウムイオン電池プラント20カ所のうち、16カ所は中国にあり、2年内に中国はナトリウムイオン電池で世界の約95%のシェアを占めることになる」とし、「中国は世界の自動車電動化において最も重要な勢力の一つとなり、なくてはならない存在であり、多くの分野で絶対的権威を有している。特筆すべきは、EVの分野で中国はすでに世界のリーダーとして認められており、燃料自動車においても広く応用されている現在、中国製品は優れた成績を収めている」と述べた。

南アフリカ市場を席捲する中国製電動SUV

記事は、「現在中国製EVが最も売れているのは間違いなくロシアであるが、欧州車や米国車が根付いているアフリカでも新たな主役になりつつある」として南アフリカを例に、「日本のトヨタ、米国のフォード、欧州のフォルクスワーゲンが大きなシェアを占めているが、SUVモデルでは中国製が大きなシェアを獲得しつつある」と伝えた。

南アフリカ自動車工業会(Naamsa)のデータによると、今年に入ってから11カ月間に同国で販売されたSUVで、中国の哈弗(ハバル)H6が5032台とトップに立ち、これまで首位だったフォルクスワーゲンのトゥアレグは3165台と2位になり、3位は奇瑞(チェリー自動車)8 Proが2195台と、韓国ヒュンダイのツーソンを破った。

記事は、米S&Pが「中国の自動車メーカーは南アフリカ市場を席捲している」と評し、「哈弗と奇瑞は2万7000米ドル(約384万円)以下で販売しているが、欧州車はこれより高い2万8000~3万8000米ドル(約399万円~541万円)の価格帯で販売されている」と述べたことを伝えた。

その上で、「今後アフリカで電気自動車化が進んでいく過程で、中国が燃料自動車で築き上げた評判は中国製EVを大きく後押しすることは必至であり、アフリカはもはや欧米の独占市場ではなくなっていくだろう」と予想した。(翻訳・編集/榊原)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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