中国「ゼロコロナ」政策止めた「白紙デモ」から1年、「成績いいはずがない」と韓国紙

Record China    2023年12月16日(土) 9時0分

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中国当局が「ゼロコロナ」政策を突然打ち切ってから1年。そのきっかけとなった「白紙デモ」について、韓国紙は「白紙だから、成績はいいはずがない」との北京の知識人の評価を紹介した。

昨年12月、中国当局が新型コロナウイルス感染症を徹底的に封じ込めるロックダウン(都市封鎖)などの「ゼロコロナ」政策を突然打ち切ってから1年。そのきっかけとなった「白紙デモ」のその後について、韓国紙は「白紙で出したのだから、成績はいいはずがない」との北京の知識人の評価を紹介した。

白紙デモは昨年11月26日に上海で始まり、首都北京など中国全土に拡大したゼロコロナ政策への抗議デモだ。参加者たちは当時、公安(警察)の制裁を避けるために、反政府スローガンなどが書かれたプラカードの代わりに真っ白な紙を掲げて街に繰り出した。中国ではめったに見られない大規模デモが発生したため、海外メディアは「中国人たちが政府に立ち向かい始めた」と評価した。

朝鮮日報が掲載した北京特派員発のコラムによると、白紙デモから1年が過ぎた現在、中国人たちはデモ以前よりもおとなしくなった。大衆メディアや芸術作品に関しても、反体制メッセージに対する自己検閲は強化され、私的な場でも国家指導者に対する批判は自制するような雰囲気だ。

習近平共産党総書記(国家主席)の「ライバル」と言われた李克強前首相が死去したときも、SNS(交流サイト)上では李前首相に対する再評価は匿名で書き込まれた。白紙デモが中国人にとって、「抵抗の経験」ではなく「国による厳しい統制に遭った」という記憶として残り、「傷弓の鳥(一度弓矢で傷つけられた鳥は、弓の弦音を聞くだけで恐れおののく意から、前の事に懲りて後の事を極端に警戒する人の例え)」が増えてしまったようだ。

コラムは「白紙デモをけなすつもりはないが、『三日天下』『竜頭蛇尾』だったということは否定できない」と指摘。「実名を出して戦うデモ隊の主役もいなければ、中心的な役割を果たす組織もなかったせいだ。デモの目標が『ゼロコロナ政策の即時解除』なのか『政府の謝罪』あるいは『体制変化』なのかが明確ではなかった」と続けた。

さらに「デモの過程で北京大や清華大など名門大学の学生たちは、大学当局の目を気にして立場表明の文書すら出さなかった」と言及。「対照的に中国政府はデモ発生翌日から参加者らを探し出して警告・処罰するというやり方で一気に事態を鎮静化させた」と説明した。

その上で「中国人は抵抗しないだろうという予想は中国は変わらないだろうという結論へとつながる」と断言。「米国との競争の中で、かたくなに計画経済・一人体制をつくり上げてきた中国は、もはや内部的に変化する可能性までも遮断しているからだ。韓国は、このような中国の姿が今後も続くと想定して戦略を練るべきだと考える」と訴えた。(編集/日向

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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