Record China 2023年12月15日(金) 18時0分
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中国の大手資産運用会社・中植企業集団が11月下旬、債務超過に陥った。米誌は「中植はシャドーバンキング(影の銀行)で信用バブル崩壊へのカウントダウンが始まった」と伝えた。
中国の大手資産運用会社の中植企業集団(中植)は11月下旬、自社が「深刻な債務超過」に陥ったと発表した。負債は推定4600億元(約9兆3400億円)。米誌は「中植は中国のシャドーバンキング(影の銀行)の重要なプレーヤーだ」として、「信用バブル崩壊へのカウントダウンが始まった」と伝えた。
米誌ニューズウィークが紹介したフォーリン・ポリシー誌の記事によると、債務超過の発表の数日後に中国当局の捜査が始まり、12月1日には中植と関係の深い2社の会長2人と連絡が取れなくなった。
シャドーバンキングはノンバンク企業による融資や投資で、中国では盛んに行われている。もっとも、中国の多面的な経済危機の中で破綻するシャドーバンクは中植だけではなさそうだ。中国のシャドーバンキングにはマイクロファイナンスや信用保証会社、さらには質屋なども含まれ、3兆ドル(現レートで約430兆円)規模に発展している。
中国の銀行は国有で融資業務に対する規制も厳しいが、シャドーバンキングは銀行が規制をかわす手段になっている。2015年のある報告書は中国のシャドーバンキングの3分の2が銀行からの資金と推定している。
「影」の濃さも多様で、中国最大のシャドーバンクの一つは政府系の資産運用会社とみられる。また、業務の多くはグレーゾーンで、当局から正式に承認されていない。08年の金融危機以降、中国では大規模な景気刺激策により信用が拡大し、シャドーバンキングの役割が急激に広がった。資金の大半は不動産市場に投資され、株式市場や商品市場にも流れ込んだ。
米コンサルティング企業ローディアム・グループのアナリスト、ローガン・ライト氏によると、当局はリスクを認識しつつ、「その場しのぎの規制」に追われた。規制が強化されると銀行は手法を変え、通常の融資で提供していた資金もシャドーバンキングを経由するようになった。16年には「中国の規制当局は金融システム内の資金の流れを監視するのに必死だった」という。
銀行は高金利の住宅ローン、特に販売前のローンを奨励。不動産開発業者は、これらの資金を元手に信用取引を行った。このような信用、規制、不動産建設の結び付きは不正や腐敗の機会を生んだ。例えば、18年に中国でネットワーク金融業者が相次いで破綻し、オンライン投資の手軽さに流れた一般の人々が深刻な影響を受けた。
さらに記事は「中植の顧客は中国共産党幹部とつながりのある裕福な個人や企業だ」とも指摘。「経済にこれ以上ダメージを与えることなく、利害関係者の莫大(ばくだい)な富を混乱させることなく、状況をどう整理すればいいか。中国政府は厳しい課題を突き付けられている」との見方を示した。(編集/日向)
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