高速列車で緊急出産、テレビ電話で医師が指導し赤ちゃんが無事誕生―中国

人民網日本語版    2023年12月13日(水) 14時30分

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中国の妊婦が高速列車で緊急出産した。

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「生まれる、生まれる!」。疾走する高速列車の中で、突然、出産の兆候が現れた妊婦がいた。車内に医者はおらず、一番近い駅までまだ20分以上あった。 3日昼、浙江省温州市蒼南県から四川省成都市に向かうG1984号列車に「6号車にお乗りの妊婦のお客様が下腹部に強い痛みを感じておられます。産婦人科のお医者様はいらっしゃいませんか」と切迫した声の放送が流れ、車内の静寂が打ち破られた。しかし呼びかけもむなしく、車内に産婦人科の医者はいなかった。この妊婦は初めての出産ということで、夫は心配のあまり涙を流していた。

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緊迫したムードの中、6号車に乗っていた潘暁栄さんと沈傑さんという2人の男性が立ち上がった。浙江省龍泉市人民病院の人事担当者で、省外へ出張に行くためこの列車に乗っていたという2人は、状況をおおざっぱに把握すると、すぐに勤め先の病院の産婦人科医師の呉線玲さんにテレビ電話をかけ、サポートをお願いすることにした。

妊婦とその家族は取り乱し、妊婦には呼吸困難の症状も見られ、非常に切迫した状況だった。妊婦と家族の同意を得た後、潘さんと列車の乗務員は車内での分娩に踏み切ることにし、乗り合わせた乗客は進んで席を空け、乗務員に協力して、車内にあった毛布で周りを囲み「即席の分娩室」を作った。

車掌の李雪榕さんは車内にあった手術着を着用し、車内にあった出産用品も並べて赤ちゃんを取り上げようとした。テレビ電話の向こうでは呉医師がスマートフォンの画面を注視しながら、最大限の声を上げて車内にいる人々に指示を送り続けた。


緊迫した十数分の後、妊婦は無事に男の子を出産し、新米パパは感動と感激でいっぱいになっていた。しかし続く数分間、赤ちゃんはピクリとも動かず、泣き声もなく、その場にいた人たちは再び慌て始めた。乗務員が呉医師のオンラインでの指導の下、赤ちゃんの気道をきれいにし、足の裏を軽くたたくと、赤ちゃんは大きな泣き声を上げ始め、車内は安堵と喜びの声に包まれた。

テレビ電話の向こうで、呉医師も思わず涙を流した。呉医師は後に、「赤ちゃんの泣き声が聞こえた時、肩から重荷を下ろしたような気がして、赤ちゃんとご家族に心からおめでとうと思った。これまでたくさんの赤ちゃんを取り上げてきたが、今回は本当に特別な出産だった」と振り返った。

午後1時12分、列車が南昌西駅が到着すると、連絡を受けた救急車が駅の前で待っていた。みんなが協力して妊婦をプラットホームに運び、駅員に引き渡された。


潘さんと沈さんは取材に、「誰にとっても初めての経験だった。自分たちには何かしたという感じはない。車掌はとても力になってくれたし、同僚は落ち着いていたし、乗客も協力的で、最後はみんなの力で素晴らしい結末を迎えることができた」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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