<日本人が見た新疆>見ると聞くとでは大違い、生き生きと暮らす人々

Record China    2023年12月14日(木) 15時20分

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中国駐大阪総領事館が企画した新疆ツアー第二陣が9月に行われた。ツアーに参加した伊関要さんは新疆ウイグル自治区で見たこと、感じたことをつづった。写真はカシュガル。

中国駐大阪総領事館が企画した新疆ツアー第二陣が9月に行われ、参加者はカシュガル古城、エイティガールモスク、カシュガル市老城区保護総合治理紀念館などを訪れた。

ツアーに参加した伊関要さんは、新疆ウイグル自治区で見たこと、感じたことを以下のようにつづった。

「見ると聞くとでは大違い」。ただただあきれるのは日本のメディアのフェイク報道。実際の新疆ウイグル自治区では、人々は生き生きと暮らし、ウイグル人など少数民族の言葉、文化、歴史、宗教などが大切に守られ、高速道路が敷かれ高速鉄道が走り、経済開発区へは内外からの企業誘致が盛んに行われ、観光地はどこもマイカーの観光客であふれていた。想像以上だった麗しの新疆ウイグル自治区。新彊ツアーを企画立案された中国駐大阪総領事館に心から感謝したい。

華孚紡績に中国の未来を見た

ユニクロが、人権侵害を理由に撤退を余儀なくされた合弁相手の華孚紡績工場を訪れた。この米国の経済制裁により81%を占めた輸出が大打撃を受け、会社は存亡の危機に。しかし、経済制裁をはねのけ、輸出を20%、国内消費を80%とし、会社は現在、大発展の只中にある。ウイグル人労働者の皆さんは、自家用車を買い、自宅からマイカー通勤をされている。ちなみに、誰も鎖につながれたりしていなかった。工場を案内してくださった華孚紡績新疆子会社の夏乃君副社長は、大発展する自社のことを「紡績業界のファーウェイと呼ばれている」と紹介した。ツアー参加者から巻き起こる拍手に、夏乃君副社長はガッツポーズで応えた。やがて、米国の中国包囲網を打ち破り、大発展を遂げる中国の未来の姿が重なって見えた。

民族教育のお手本、カシュガル市第11小学校

カシュガル市第11小学校を訪れた。ウイグル語や中国語、英語、数学などの授業を参観した。また、音楽室では、子供たちが歌い、ウイグル舞踊を踊る授業を見学した。校庭ではバスケットボールやサッカーが行われていた。ウイグルの言葉や文化が教えられると同時に、中国語や英語といった将来の仕事などでのスキルアップに直結する授業も行われている。

特に、中国語が大切だ。どういうことかというと、現地では通常ウイグル語が話されている。私たち日本人のツアーがどこか見学をする時、現地の方はウイグル語で説明する。それを中国語のできる現地の方が中国語に翻訳して、中国の随行員が日本語で通訳すると言った具合だ。中国語は民族や言葉や風俗習慣が異なる地域が数多く存在する広大な中国における共通語なのだ。

日本のフェイク報道では、「ウイグル語が禁止されている」「中国語が強制されている」などと言われている。大間違いだ。禁止も強制もない。中国語は、スキルアップであり、将来の仕事の幅を広げ質を高め、夢とチャンスをつかむ必須アイテムだ。ウイグルの伝統文化を教え、将来のスキルアップにつながる教育を行うカシュガル市第11小学校は民族教育のお手本ともいうべき名門校だ。

人徳高きアホン様

カシュガルにある新彊最大のイスラム寺院「エイティガールモスク」を訪問した。アホン様(イスラム教の大司教)自らが寺院を案内してくださった。アホン様はウイグル語で話をされ、付き添いのウイグルの方が中国語に訳すと、随行の楊さんが日本語に訳す。私には、ウイグル語は全く分からないのだが、鷹揚として笑みを含んだ立ち居振舞いや語り口に、何とも言えない暖かさを感じた。人徳高きお方なのだと感じた。アホン様は新疆ウイグル自治区全体のイスラム教徒のトップであり、新疆ウイグル自治区の人民代表も務められている。ツアー参加者からの「新疆ウイグル自治区には8000ものイスラム寺院があるとお伺いしました。本当にそんなにあるのですか?」との質問に、アホン様は「そんなものではありません。もっとあります。私にも正確な数が分からないくらいたくさんあります」と答えておられた。イスラム教は中国政府から弾圧をされていないばかりか、むしろ保護されているのだと実感した次第だ。

50戸が共同経営、綿花大農場

中国最大の綿花の産地・アクスでは、50戸の農家が共同で経営する綿花の大農場を訪れた。ドローン2機が飛び回り、農薬を散布していた。農場の代表や責任ある方々、技術責任者の方が次々に解説してくださった。ご多分に漏れず、ウイグル語⇒中国語⇒日本語のリレー通訳。50戸が共同経営することで、大規模化、機械化、技術革新、経営安定が図られ、農家の収入は増え生活は安定したとのことだ。新疆ウイグル自治区の綿花農園では、「強制労働」が行われていると日本では報じられている。これまたとんでもない誤報(フェイク)だった。新疆ウイグル自治区の綿花農園で行われているのは、「強制労働」ではなく「共同労働」であり「共同経営」だった。

陸路の一大貿易都市「カシュガル」

ツアー最後の訪問地は、中国最西端の町カシュガル。当初、私は最西端の町と聞いて、カシュガルはラクダの行き交うのどかな田舎町なのだろうと想像していた。とんでもない間違いだった。カシュガルは活気あふれる大都市だった。ツアー参加者からは「上海のようだ」の声が聞こえる。それもそのはず、カシュガルは陸路の一大貿易都市だったのだ。

カシュガル滞在中、標高3600メートルの景勝地カラクリ湖を中パ公路(中国とパキスタンを結ぶ道路)をたどって訪問した。中パ公路を行き交うのは、マイカー観光客と物資を満載したトラックの車列だった。カラクリ湖は周囲を7000メートル級の山々に囲まれた絶景の地だ。「あの山の向こうがパキスタン」「こちらの山の向こうがタジキスタン」「あちらの山の向こうがキルギスタン」との説明。カシュガルはこのように陸路を通じて世界とつながっているのだ。日本にいると、貿易都市といえば神戸とか横浜の海路の港町しか知らなかった。しかし、陸路の一大貿易都市を目の当たりにして、認識を一変した次第だ。実際、カシュガルに至るまでに高速道路を利用してきた。新疆ウイグル自治区には、高速道路が敷かれ高速鉄道が走り、ウルムチでは新開発区に内外の企業がどんどんと誘致されようとしている。アジアとヨーロッパをユーラシア大陸を横断して結ぶ鉄道・中欧班列(トランス=ユーラシア・ロジスティクス)の陸路貿易の一大物流拠点として、新疆ウイグル自治区はその面目を一変させている。日本にいては見えてこないが、陸路貿易の巨大なエネルギーと可能性を肌で感じた次第だ。

新疆ツアーを終えて見えた「アメリカ人権外交」の正体

帰国後、方々で新疆ツアーについて尋ねられる。先日も30人ほどの会合で華孚紡績工場でのエピソードを紹介した。すると、ある方から質問があった。「ユニクロ撤退後、労働者の鎖が外されたのですか?」というのだ。心底驚いた。新疆ウイグル自治区では、労働者が鎖につながれて、強制労働をさせられているというフェイクが、日本で自明の真実として誤って定着してしまっているのだ。「労働者が鎖につながれている」ということ自体フェイクであり、フェイクの人権侵害を理由に経済制裁を課すことは不当な内政干渉だ。日本の左翼、平和勢力の多くは「人権」と言われると何も言えなくなってしまう。「アメリカの人権外交」は帝国主義の戦争イデオロギーに他ならないといったことを申し上げた。その方は「分かりました」と着席された。本当に納得されたか否かは分からない。しかし、誤った中国に対するネガティブなイメージが、軍拡や琉球弧要塞化、ミサイル配備に悪用されている。新疆ウイグル自治区の本当の姿を紹介し、日本にはびこるフェイクをただし、軍拡・敵対・戦争ではなく、平和友好へと導くべく尽力する覚悟だ。これが、新疆ツアー第2陣にお誘いいただいた私の責務だ。

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