中国の女優ヴィッキー・チャオ（趙薇）の主演ドラマが、人工知能（AI）で別の女優に顔を差し替え、国営テレビ・中央電視台（CCTV）で放送を開始した。

11月23日にCCTVでオンエアを迎えた現代ドラマ「小満生活」は、もともとヴィッキー・チャオと俳優チン・ハオ（秦昊）が主演し、「学区房」のタイトルで2020年に撮影されたドラマ。ヴィッキー・チャオは21年8月以降、表舞台から姿を消して全面的な封殺状態となっており、中国メディアではアリババ・グループ創業者のジャック・マー（馬雲）氏との親しい間柄をはじめ、封殺に追い込まれたさまざまな原因を報じてきた。

これまでお蔵入りは間違いなしとされてきた同作に動きがあったのは今年8月のこと。ドラマ「宮廷の諍（いさか）い女」などで知られる女優ジャン・シン（蒋欣）を代役に起用して一部撮り直しと脚本の調整を行い、放送に向けた発行許可証を取得していた。

当初はヴィッキー・チャオが6年ぶりに出演するドラマとして注目を集めた「学区房」だったが、オンエア後の「小満生活」では、ヴィッキー・チャオの顔が人工知能によってジャン・シンに差し替えられている。

なお、視聴者からは画面をじっくり見ると、やはり映像に違和感を覚える場面があるとの指摘も。また、ヴィッキー・チャオの後ろ姿だけが明らかに残っているシーンもあり、ジャン・シンとの骨格の違いで一目瞭然だと指摘する声や、ヴィッキー・チャオのファンからは少しでも姿が見られることを喜ぶ声も聞かれる。（Mathilda）