中国、地方政府に問題がある官民連携事業の中止指示、債務リスクを抑制―海外メディア

Record China    2023年11月18日(土) 5時0分

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中国政府が地方政府に対し「問題がある」と指摘された官民連携事業を中止するよう命じた。経済成長の大きな妨げになっている地方政府の債務リスクを抑制することが狙いだ。資料写真。

中国政府が地方政府に対し「問題がある」と指摘された官民連携事業(PPP)を中止するよう命じた。ロイター通信が関係筋の話として報じた。増大する一方で経済成長の大きな妨げになっている地方政府の債務リスクを抑制することが狙いだ。

中国政府はかねて、経済の要である省と市に高い成長目標を課してきた。しかし、長年にわたる過剰なインフラ投資、土地売却によるリターンの急減、新型コロナウイルス対策費の増大などで膨れ上がった地方政府の債務は今や最大の経済リスクとなっている。

地方政府の債務は2022年に92兆元(約1840兆円)と、国内総生産(GDP)の76%に達した。19年の62.2%から急増している。

この一部は地方政府がインフラ整備のために設立する投資会社、融資平台(LGFV)が発行したものだ。国際通貨基金(IMF)はLGFVの債務が今年9兆ドル(約1350兆円)に達すると予想している。

PPPは中国政府が2014年から民間資金を公共インフラ事業に活用する方策として推進してきた。一方でPPPについては一部の地方政府が債務による資金調達のための「抜け道」として利用していることへの懸念が高まっていた。

中国銀行のリポートによると、22年末時点で中国は1万4000件以上のPPPを実施。投資額は20兆9000億元(約418兆円)とフランス経済にほぼ匹敵する規模に達している。

ロイター通信によると、PPPに関しては地方政府や政策銀行、国有金融機関に宛てた10月の中国国務院(内閣に相当)の文書に新たなガイドラインが記載されていた。

これまで年間予算の最大10%をPPPに充てることを地方政府に認めてきたが、これを廃止し、今後は当局が事業を個別に審査する。多くの地方政府のPPP支出が過去数年間で基準の上限に達していた。

さらに国家審計署(国務院の直属機関で政府機関と国有企業の財務収支の監査を行う役所。日本の会計検査院に相当)が今年に実施した検査で「問題がある」とされた事業は停止し、問題に対処するよう命じた。関係筋の一人は問題のある事業ついて、LGFVが民間のパートナーを装ったケースなどが含まれると説明した。

また2月までにパートナーを決定する入札手続きが終了していないプロジェクトはすべて停止。PPPの監督官庁は財政部から国家発展改革委員会(発改委)に変更される。地方政府は11月中にすべてのPPPを国務院と発改委に報告する必要があるほか、特別目的債や一般債を発行して事業に伴う債務を返済することが奨励されているという。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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