EU、レアアースやリチウムなど重要原材料で「脱中国」―独メディア

Record China    2023年11月15日(水) 16時0分

拡大

ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレは11月14日、 欧州連合(EU)がリチウムやシリコンなど重要原材料の長期的な供給を確保するため、新たなルールを制定したと伝えた。

ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は11月14日、 欧州連合(EU)がリチウムやシリコンなど重要原材料の長期的な供給を確保するため、新たなルールを制定したと伝えた。

EU加盟国政府の代表と欧州議会は13日、関連規定の文書に合意。文書には中国などへの依存を削減するため、欧州域内で重要原材料の加工やリサイクルを促進する内容が盛り込まれているという。

記事によると、欧州委員会(EC)はこの新ルールに基づき、EUに対して2030年までに重要原材料の加工能力が年間消費量の最低40%をカバーし、リサイクル能力も年間消費量の最低25%をカバーするよう義務付けた。記事は、「EUは戦略的に重要な主要原材料の原産国を多様化することも目標としており、いかなる第3国もEUの年間消費量の65%を超えて供給することはできなくなる」と伝えた。

記事は欧州議会のニコラ・ベーア副議長(FDP)が「新たなルールにより、民間投資家は将来の投資計画を確実に立てやすくなる」と述べたこと、ヒルデガルト・ベンテレ欧州議会議員(CDU)が「新ルールには原産国の多様化が盛り込まれており、中国に対する警告だ」と指摘したことを挙げ、「EUにとって中国は依然として非常に重要な供給国である現状を浮き彫りにした」と評した。

ECは新ルールの草案を策定していた今年3月、重要原材料は気候保護からデジタル、宇宙、国防まで幅広い用途で利用される必要不可欠な物資であると指摘する一方、重要原材料の供給が日増しに地政学的、経済的、社会的リスクと結びつくようになったと述べていた。記事によると、EUはさまざまな重要原材料で依存性が高く、90%以上を第3国から調達していたケースもあったという。

記事は、「EUの公式データによると、風力発電のタービンエンジンの永久磁石製造に用いられるレアアースが、現状でほぼ100%が中国で精錬されている。また電気自動車(EV)やエネルギー貯蔵に利用される重要原材料のリチウムも同様だ」とし、「EUは2030年までにリチウムの需要が現在の12倍になると予測しており、チップ生産に必要なシリコンも極めて重要だと述べている」と伝えた。

そして、「EUのリストにある34種類の重要原材料のうち17種類は重要な戦略物資である」とした上で、「新ルールは今後、EU加盟国理事会と欧州会議本会議での承認が必要だが、手続き上の問題にすぎない」との見方を示した。(翻訳・編集/榊原)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携