中国国営の新華社は12日、日本のパンダファンの団体がシャンシャンに会うためはるばる四川省にやって来たと報じた。

シャンシャンは2017年6月12日、東京・上野動物園でリーリー（父）とシンシン（母）の間に誕生したメスのジャイアントパンダ。当初は20年12月に中国に返還される予定だったが新型コロナウイルスなどの影響で延期され、23年2月21日に中国・四川省のジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地に返還された。

新華社は日本からシャンシャンに会いに来た団体の中で、シャンシャンの写真を長年撮り続けてきた高氏貴博さんに密着。「11年8月に偶然パンダのとりこになり、それから彼は上野動物園に行ってパンダの写真を撮影し、ブログ『毎日パンダ』にアップするようになった」と紹介した。

実際に現地でシャンシャンと対面した高氏さんは「“久しぶり”という気持ちと、“今までありがとう”、“これからもよろしくね”という気持ちを心から伝えてきました。2月に旅立ってから毎日毎日、シャンシャンに会いたい会いたいとずっと思っていました。それが実現できて、こんなに幸せなことはありません」「一言で言うと“感動”ですね」と語った。

また、「シャンシャンはとても良い顔立ちをしているんですね。本当にもう美人で素敵なパンダだと思っていますし、性格もすごく良さそうなので心から愛しています」とし、「日本にいた時も環境が変わったりすると落ち着かない時があったんですね。中国に来てからも慣れるまで時間がかかったんですけど、今日見た感じではすっかりこの素晴らしい環境に慣れて、とても幸せそうにしているという印象でした」と話した。

高氏さんはシャンシャンを追いかけるようになったきっかけについて「元はリーリーとシンシンという、シャンシャンのお父さんお母さんのパンダをずっと見ていまして、いつか赤ちゃんが生まれないかなと願っていて、念願の赤ちゃんがシャンシャンだったので、もう自分の大切な子どものような気持ちで見ています」と説明した。

そして、「日本人はパンダが大好きでシャンシャンブームをきっかけに中国に興味を持った人もすごくたくさんいます」とした上で、「パンダを見ると国籍問わずみんな笑顔になると思うんですね。そんな素敵なパンダを通じて日本と中国の交流がますます深まって、友情も深まってくれたらいいなと思います」と語った。

中国のネットユーザーからは「遠くからはるばるやって来るなんて、本物のファンだ」「この兄ちゃんはガチの熱狂的ファンだな」「これぞ真の愛」「シャンシャンは本当に丸っこくてかわいいよね」「シャンシャンは“美パンダ”」「日本人のパンダ好きは本物」「シャンシャンは本当に日本人に愛されているね。彼女が新しい環境に適応できて良かった」などの声が上がった。

また、「こんなに愛してくれてありがとう」「彼らはシャンシャンが小さい頃から成長する過程を見てきたからわが子のように思ってるんだ。こんなにたくさんの人がシャンシャンを愛していると思うとうれしい。みんなが幸せで平和であってほしい」「素晴らしい。これからもっとたくさんのシャンシャン好きな日本の友人たちが中国に来てくれることを期待しています」とのコメントも寄せられている。（翻訳・編集/北田）