中国のEV業界、再編が始まり強い企業だけ生き残って統廃合進む―香港紙

Record China    2023年11月12日(日) 8時0分

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中国のEV業界では業界再編が始まり、強い企業だけ生き残って統廃合が進むだろう、と香港紙が報じた。「中国版テスラ」として知られるEVメーカーも大規模減員計画を発表した。

最近、世界の電気自動車(EV)市場の成長が鈍化する中、規模を拡大している中国のEV業界では業界再編が始まり、強い企業だけ生き残って統廃合が進むだろう、との見通しを香港紙が報じた。「中国版テスラ」として知られるEVメーカーも大規模な減員計画を発表した。

韓国・中央日報が紹介した香港の英字紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」(SCMP)などの記事によると、EVメーカーの蔚来汽車(ニオ)は大規模減員計画を発表した。

蔚来のウィリアム・リー最高経営責任者(CEO)は社内文書で「今後2年間、自動車産業は激しい競争になるだろう。次の段階に進むためにコストを減らし資源を再配分しなければならない」と減員理由を明らかにした。11月中に人材調整を終えて技術投資に集中する計画で、従業員2万7000人のうち10%に当たる2700人ほどが解雇されるものとみられる。

中国市場でEV販売台数上位10位に入り、「中国版テスラ」とも呼ばれる蔚来がこうした決定を下したのは、価格競争が激しくなった上に景気鈍化により、プレミアムEVに対する需要が減ったからだ。蔚来はコストパフォーマンスを掲げる多くの中国メーカーとは違い、「プレミアム」に集中して直撃弾を受けた。

SCMPは「蔚来の4~6月期純損失は前年同期比約28%増の61億元(約1255億円)に達した」と報道。7~9月期には成長を回復したが、1~10月の累積販売台数は12万6000台にすぎず、今年の販売目標である25万台を達成するのは難しそうだ。こうした危機感から「生き残るための道」を選んだという。

揺らいでいるのは蔚来だけではない。一時は百度(バイドゥ)と上海汽車から7000億円以上の投資を誘致し、新興強者に浮上した威馬汽車は10月9日に破産申請をした。価格・技術競争に押されこの3年間の累積損失が3000億円を超えたためだ。

また別のEVスタートアップのシンギュラート・モーターズ、雷丁汽車(レブデオ)もやはり破産手続き中だ。数カ月にわたり従業員への給与が未払いとなっている愛馳汽車は最近工場を止めた。天際汽車のように一部事業を中断した企業もある。

それでも中国のEV業界全体が揺れるとはいえない。最近淘汰された企業は蔚来を除きほとんどが小規模企業だ。BYD、上海汽車、吉利汽車などトップ企業は 1~7月に世界のEV販売台数でそれぞれ1、3、5位を記録し好調だ。

特にBYDはハンガリーに同社で初めての欧州EV工場を設立すると発表するなど積極的に勢力を伸ばしている。SCMPは「中国のEV業界では強い企業だけ生き残って統廃合が進むだろうという分析があふれている」とも伝えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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