2023年11月3日、中国メディアの環球時報は、「中国の電気自動車（EV）の奇跡は韓国でも起こせるか」と題した韓国紙・中央日報の評論を紹介する記事を掲載した。

記事は、中央日報が「20年余り前、世界の自動車メーカーが中国の広大な市場と廉価な労働力を理由に続々と中国で合弁工場を建設した。当時、中国の自動車メーカーには米国やドイツ、日本などのメーカーとライバルになるほどの競争力はなく、世界からも注目されてなかった」とした上で、化石燃料車で西側に太刀打ちできないことを悟った中国政府が環境保護時代の到来に合わせてEVの発展に「全振り」して新たな市場を創出し、中国が今年にも日本を抜いて世界最大の自動車輸出国になる見通しだと伝えたことを紹介した。

そして、米国が「インフレ削減法」を成立させたり、欧州が中国のEVに対し補助金調査を実施するなど西側が中国のEV産業急発展に恐怖を抱いているとし、その背景には「中国が20年来築いてきたEV産業生態系を同じように構築できず、短期間で中国のEV産業に追いつくことが難しい」ことがあると論じたことを伝えている。

記事によると、中央日報は「韓国は中国のようにEVの奇跡を実現できるだろうか」と問いかけた上で「ここ数十年、韓国政府は新興産業の発展推進を大々的に推進すると宣言しながら、いまだに明らかな成果が得られていない」と指摘。かつて経済発展を実現した「漢江の奇跡」はもはや過去の出来事となり、政治闘争や官僚主義、がんじがらめの規制が新たな産業の出現と発展をむしばんでいるとし、「韓国の政界と民間企業が一緒に努力してこそ、新たな奇跡は初めて実現可能になる。今の韓国経済にはこのような奇跡が必要だ」と評した。（翻訳・編集/川尻）