日本語教師としての我が使命―中国人学生

日本僑報社    2023年11月5日(日) 9時0分

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100年前、松本亀一郎先生は教育家として中日友好関係と教育事業のために東奔西走した。松本先生の率先垂範なご姿勢は私たち後輩の憧れである。

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周知のように、中日両国の2000年以上にわたる悠久な友好往来は、近代において半世紀余りの痛ましい不幸な歴史によって断たれたことがある。歴史は必ずしも平坦な道を進むものではないが、歴史の教訓を銘記することで、よりよい未来を切り開いていくことができる。したがって、私達両国の青少年はあの不幸な歳月の歴史的教訓を総括し銘記する必要があると思う。今年は中日国交正常化50周年に当たり、私は両国民の友好関係を築くために、自分なりの力を尽くすべきであると考えている。

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新しい節目に当たり、両国民の親近感を高めるために、私も自分なりの役割を果たしたいと思う。私はかつて国際高校で日本語教師として数年間日本語教育事業に従事した。今は再び学校に戻り、勉学の道を辿っているが、往事を顧みると、感無量である。100年前、松本亀一郎先生は教育家として中日友好関係と教育事業のために東奔西走した。松本先生の率先垂範なご姿勢は私たち後輩の憧れである。

教育は本来容易なことではない。中国では「教師は祖国の園丁、生徒は祖国の花」という言い方がある。教師の使命は謂わば「国家建設の棟梁を育成」することと「社会促進の人材を養成」することである。その責任の重大さは誰にでも分かる。青少年は国の未来と希望であり、中日友好の未来と希望でもある。私は日本語教師の一人として、常に自分の生徒に「中日永遠友好」という理念を強調している。両国将来の友好関係はまさに「90後」と「00後」世代によって構築されると言い切れる。

両国の国民の親近感を高めるために私に出来ることは、教室で日本に関する知識を学生に教授することだけではなく、中日世代友好の理念をも伝えることである。国際高校での数年間、私の生徒たちは日本へ赴き、日本全国各地の大学に入学し、北海道から北九州まで、彼らは日本の大学で勉強すると同時に、熱心に日本の学生と交流している。言うまでもなく、彼らは将来中日友好の架け橋になると思う。今私は自分に不足な点を認識し、再び学校に戻り、自分の日本語教育レベルをさらに向上させようと考えている。そして今後も引き続き教鞭を執って、教壇で自分なりの役割を果たし、中日両国の青少年の交流に力を尽くしたいと思う。

3年前からのコロナ禍において、中日両国民は互いに助け合い、「山川異域、風月同天」という理念を十分に貫いてきた。目下両国はコロナ禍のため、教育面での交流が滞っている。それにも関わらず、毎年高校の卒業生は自分の夢を抱え、留学のために毅然として日本へ赴いている。将来、中国側が日本側とともに、両国青少年の大規模な交流プログラムを企画・実施する日が必ず来ると私は信じている。その日を迎えるため、私達日本語教師も骨身を惜しまず全力疾走するのである。中日関係の美しい未来を切り開くことは、われわれ教育者の責任であり、使命でもある。

日本には「風は吹けども、山は動かず」ということわざがある。中日両国友好関係の発展は、多年にわたって風雨や紆余曲折をたどってきたが、中日両国民の友好の土台は泰山と富士山のように決して動揺することはない。中日関係の美しい未来を切り開くために、われわれ両国の教育者は他の業界よりまず一歩先んずる必要があり、その上たゆまぬ努力を続ける必要もある。

千里の道も足元の一歩から、中日国交正常化50周年以後も、両国の友好交流は世界時勢により時々多少の齟齬が生じることがあるかもしれない。それでも、先賢の精神を継承して、その後足を踏めば、いつしか両国の国民は本当の意味で理解しあえると私は信じている。将来自分も後輩に胸を張って日本語教育のバトンタッチができるよう、微力ながら頑張りたいと思う。

■原題:日本語教師としての我が使命

■執筆者:李楊(南京師範大学)

※本文は、第18回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集『日中「次の50年」――中国の若者たちが日本語で綴った提言』(段躍中編、日本僑報社、2022年)より転載・編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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