中国で東南アジア留学を選択する学生が増加「競争が国内より激しくない」―香港メディア

Record China    2023年11月2日(木) 6時0分

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香港英字メディア、サウス・チャイナ・モーニング・ポストにこのほど、「中国人学生は東南アジア留学に方向転換することでストレスを解消」とする記事が掲載された。写真は中国の大学卒業生。

中国メディアの環球時報はこのほど、「中国人学生は東南アジア留学に方向転換することでストレスを解消」とする香港英字メディア、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの記事を取り上げた。

記事によると、中国人女性のヤオ・リーさんが昨年、マレーシアのある大学に出願した際に行ったことといえば、学部の卒業証書、成績証明書、英語能力証明書をアップロードすることだけで、それから20時間後には大学院プログラムの合格通知を受け取った。

24歳のヤオさんは、中国国内の競争環境がより厳しくなる中、大学院に進学するためにマレーシア、タイ、フィリピンなどの東南アジアの国を選択する多くの中国の若者のうちの1人だ。

中国本土の学生に最も人気のある留学先として上位にランクされるのは相変わらず米国英国シンガポール、香港だが、東南アジアの大学のコストの低さや競争がそれほど激しくないことに魅力を感じる学生が増えている。マレーシアの大学の出願プロセスは競争が少ないことが魅力の大きな部分を占めている。ヤオさんによると、推薦状すら必要なかったという。

2023年に東南アジアの大学に通う中国人学生は推計10万人だ。中国版インスタグラムとも呼ばれる「小紅書(レッド)」では、マレーシア留学に関する検索数が、フランスやドイツなど一部の非英語圏西側諸国のそれを上回っている。北京の留学サービス関係者によると、東南アジアの中国人留学生のほぼ全員が、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンのいずれかの国にいるという。

中国教育省によると、地政学的緊張の高まりにもかかわらず、海外留学を選択する中国人学生は増えており、22年の志願者数は前年比23.4%急増した。学生らを駆り立てるのは、経済見通しの暗さや雇用圧力に直面する中国の若者にとって厳しい競争環境だ。

北京の海外教育コンサルタントによると、東南アジアのほとんどの大学は、世界ランク上位の大学であっても、中国人学生に相対的に緩やかな入学要件を設けているという。マレーシアや他の東南アジア諸国への留学費用は年間約8万元(約160万円)だが、英国や香港の大学の学費は30万元(約600万円)に上る。

フィリピンの大学の博士課程に在籍するモニカさんによると、東南アジアでは一部の西側諸国に比べてプログラムを修了して学位を取得するのが簡単であるように見えることが、中国人学生にとって大きな魅力となっているという。一部の東南アジアの大学が中国人学生を呼び込むために非常に簡単な卒業要件を提供していることに、中国の教育当局も注目している。

中国のシンクタンク、中国・グローバル化センター(CCG)の研究主任、ジョン・ジンリエン氏によると、経済交流の拡大や文化的な近さといった中国と東南アジア諸国連合との緊密な関係が、この新たなブームにおいて重要な役割を果たしている。中国から「一帯一路」パートナー国への投資が増えるにつれ、これらの地域はより多くの人材を呼び込む必要があり、文化的に中国に近い東南アジアが最初に恩恵を受けることになるだろう。東南アジア各国の政府も中国の教育機関と積極的に連携している。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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