中国の李克強（リー・カーチアン）前首相の死去に哀悼の意を示した日本大使館のSNS投稿にコメントが殺到したが、すべて表示されない状態になっている。

中国国営メディアによると、李氏は26日、上海で心臓発作を発症。救命措置が施されたものの27日午前0時10分に死亡が確認されたという。68歳だった。

訃報を受け、日本大使館の中国SNS・微博（ウェイボー）公式アカウントは「李克強前国務院総理は2018年5月に開催された日中韓サミットで正式に日本を訪問するなど、日中関係において重要な役割を果たされました。突然の訃報に驚き、心より哀悼の意を表します」と投稿。ネットユーザーの反響は大きく、5時間余りで約5万5000件のいいねと1600件余りのコメントが寄せられた。

ところが、コメント数は表示されるものの具体的なコメントは1件も表示されず、「一部のコメントはフィルターされました」とのメッセージだけが表示される状態になっている。

台湾メディアの三立新聞網は「日本大使館が65文字の哀悼を発し1000以上のコメントが付くも、警告なくすべて消失」と題した記事で、「さまざまな歴史問題によって中国の民衆は『仇日感情』を抱いている上、最近では中国当局が日本の処理水放出を批判しており、多くの中国人民が日本に関する事物を排斥している」と説明。「あるネットユーザーは正常に表示されないのは話題が敏感なためではないかと推察しているが、実際の理由は不明だ」と報じている。（翻訳・編集/北田）