「人道危機を激化させるばかり」、パレスチナ衝突で中国メディアが米国批判強める

Record China    2023年10月28日(土) 14時0分

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パレスチナ衝突をめぐり、中国メディアが米国批判のトーンを高めている。「問題長期化の黒幕は米国」などと指摘し、「米政府の行為は人道危機を激化させるばかりだ」などと非難した。

パレスチナ自治区ガザ地区を実行支配するイスラム武装勢力ハマスとイスラエルとの衝突をめぐり、中国メディアが米国批判のトーンを高めている。この中では「パレスチナ問題の長期化の黒幕は米国」などと指摘。「米政府の行為は衝突の早期解決を妨害し、人道危機を激化させるばかりだ」などと非難した。

中国外交部によると、中国の王毅・共産党政治局員兼外相は23日、パレスチナ自治政府のマルキ外相とイスラエルのコーヘン外相と、それぞれ個別に電話会談。ガザ情勢について一般市民の殺傷を強く糾弾し、双方に対して事態を沈静化させ「2国家共存」案に基づく対話を再開させる必要性を訴えた。

王氏はマルキ氏との会談で、即時停戦を呼びかけた上で「国際社会は緊急で行動を起こさなければならない」と強調。「大国は客観的で公正に建設的な役割を果たすべきだ」と訴え、国連安全保障理事会で一時停戦を求める決議案に拒否権を行使した米国の対応を問題視した。

これに呼応するかのように中国網は「ガザ地区の地上の状況は急激に悪化する一方で、パレスチナとイスラエルの全面的な停戦は最優先されるべき目標のはずだが、米政府の行為は衝突の早期解決を妨害し、人道危機を激化させるばかりだ」と弾劾。「長期的に見ると、ガザ地区の現在の戦闘を放任すれば、双方の恨みと対抗の悪循環を激化させるばかりで、平和的共存の将来性がさらに低くなる」と主張した。

さらに「米国の行為は多くの国の人々から抗議を受けている」と説明。「米国の在ヨルダン大使館とレバノン大使館の前では人々が抗議集会を開き、反米のスローガンを叫び、イスラエルへの肩入れに抗議した。イランの首都テヘランの中心地では人々が抗議し、イスラエルと米国の国旗を焼いた」と続けた。

エジプトのアハラム政治戦略研究センターの関係者は、「米国の偏狭な態度はおぞましく、挑発的で、非道徳的だ。米国の不公正な行為はかつてない形でアラブ世界を憤らせた」と言及。レバノンのベイルート・アメリカン大学の講師(歴史学)は「米国のバイデン大統領はアラブ人が何を欲しているか、どう考えているかに関心がなく、人間味のある発言をしていない。むしろ現在行っているすべてが戦争を呼んでいる」と述べた。

その上で中国網は、「米政府は長年にわたり、パレスチナ・イスラエル問題で(イスラエルを)えこひいきしていると批判を浴びている」と断罪。「平和の促進、パレスチナ事業を担当する在エルサレム総領事館の再開、イスラエル側による入植地の拡大の阻止などバイデン政権発足後の約束は現在も果たされていない」として、パレスチナのシンクタンクの学者の「米国によるパレスチナ問題の解決は『幻想』だ」との見方を紹介した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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