ネットでアドバイスを求める「助け合い型」が人気に―中国

人民網日本語版    
facebook X mail url copy

拡大

「助け合い型」「アドバイス受け入れ型」の旅行がSNSで流行しているほか、旅行だけでなく、コーディネートや家の内装、親子関係などでも他の人にアドバイスを求める人が増えている。写真は蘇州。

「この旅行の計画で、見直した方がいいところはありますか?アドバイスをよろしく!」「ぜひ耳を傾けてほしいアドバイス!ここに行く時は服をあまり持っていかない方がいいよ」といったように、「助け合い型」「アドバイス受け入れ型」の旅行が「小紅書」を代表とするSNSで流行しているほか、旅行だけでなく、コーディネートや家の内装、親子関係などでも他の人にアドバイスを求める人が増えている。

見ず知らずのネットユーザーが寄せる旅のアドバイス

「耳を傾けて!」というのは最初、ネットユーザーにおける「ネタ」のようなもので、頑固なネットユーザーに対して、冗談ぽくアドバイスすることを指した。しかし、今では「アドバイス受け入れ型旅行」が新しい旅行の攻略方法となっている。

「助け合い型」の旅行に関する書き込みには、アドバイスを求める書き込みと、アドバイスする書き込みの2つに分けることができる。10月中旬に江蘇省蘇州市を旅行する予定のネットユーザー「板栗」さんは、「蘇州で4日間遊ぶ予定。アドバイスをよろしく!体の弱い年長者と一緒に旅行するので、ハードなスケジュールは無理。寄席芸能の一種『評弾』を見に行きたいので、どこに泊まるといいか教えてほしい」と書き込んだ。コメント欄を見ると、江蘇省に住んでいるネットユーザーが「蘇州の地元民です。その観光スポットは今の季節は見所がないので、行かない方がいいですよ」「地元民です。平江路にある麵料理店は行く価値あり」「この観光スポットはとてもきれいですが、坂が多く、歩くと疲れるので、行くなら遊覧車に乗った方がいいですよ」「このホテルに泊まったことがあります。『評弾』を見に行くのにとても便利。ただ地下鉄の駅からは遠いです」など、たくさんのアドバイスが寄せられている。

会ったこともないたくさんのネットユーザーからアドバイスをもらった板栗さんは、どの路地に地元の人の間で人気の店があるか、どの観光スポットは最近混雑しているか、今の季節ならどの公園の景色がきれいか、人気でも、実際にはそれほど面白くない店はどこかなど、蘇州旅行に関するたくさんの情報を得た。しかもこうした情報は、ネットで検索したところで、検索できる情報では決してない。

小紅書が先日発表した「2023年中秋節(旧暦8月15日、今年は9月29日)・国慶節(建国記念日、10月1日)8連休に関する旅行報告」によると、9月15日以来、小紅書で1日2000人が旅行に関してアドバイスを求める書き込みを寄せていた。そして、今年の中秋節・国慶節8連休中の旅行の新たなトレンドとなり、アドバイスを求める書き込み1件につき平均43.9件のアドバイスが寄せられた。観光都市に住む多くのネットユーザーもアドバイスを寄せ、地元の人しか知らないようなオリジナルコースを紹介したりしている。このように「アドバイス受け入れ型旅行」を通して、完全にオリジナルの旅行スケジュールを組むことができる。

ネットユーザーは旅行だけでなく、衣食住・移動などさまざまな面でアドバイスを提供している。そしてどんな質問に対しても、誰かしらコメントを寄せてくれる親切なネットユーザーがいる。例えば、「コーディネート」や「メイクアップ」もアドバイスを求めるネットユーザーが多いジャンルで、アドバイスを基にそのイメージを作り上げるセルフメディアブロガーもいる。こうしたブロガーは、自分の1日の行動やコーディネート、メイクアップ、髪型など全てをフォロワーに決めてもらっている。そうすることで、ブロガーに集まる注目は大きくなり、一方のフォロワーもアドバイスを受け入れてもらうことで、満足感を得ることができる。

善意に満ちたインターネットの世界

江蘇省社会科学研究院の副研究員・趙偉(ジャオ・ウェイ)氏は、「アドバイスを求める方法はフィールドワークにも似ている。ネット上でたくさんの情報サンプルを獲得するというのは、幅広い意見に耳を傾けているというのが注目ポイント。誰が提案しているかは重要でない。ネットユーザー同士は会ったこともないので、逆に事実に即して論じ、客観的に提案しやすいのかもしれない。互いにあれこれ考える必要がない」と分析する。

アドバイスをする側のネットユーザーもこうした交流を通して、楽しみを得ることができ、特に自分が提供した経験が採用されると、大きな満足感に浸ることができる。実際には、商業ブランドも「アドバイスを求める」運営を採用することができ、趙氏は「消費者が提案し、企業がそれを参考にして商品を改良すると、消費者はその商品がもっと好きになるものだ。アドバイスを求める運営をすることで、企業は話題や参加型商品を作ることができる」との見方を示す。

最近、ある無名の玩具メーカーがショート動画プラットフォームで話題をさらった。その原因は、経営者が「アドバイスを受け入れた」からだった。消費者が滑稽にも思えるぬいぐるみに関するアイデアを伝えると、経営者は本当にそれを作ってしまった。すると、そのあまりにも独創的なデザインのぬいぐるみは瞬く間にネット上で大人気になった。そして、大ヒット商品が続出した。

誰かのアドバイスを受け入れることで恋人ができる場合もあれば、パーフェクトな旅を楽しむことができる場合もあるだろう。「アドバイス受け入れ型」が大人気となったことで、複雑なインターネットの世界において、見知らぬ人の好意や善意を感じることができる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携