豪政府、米軍などの拠点あるダーウィン港の中国企業への99年間貸与を承認

Record China    2023年10月22日(日) 14時0分

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オーストラリア政府は20日、同国北部のダーウィン港を中国企業に99年間にわたり貸与する契約を取り消さないことを決定したと発表した。同港には米海兵隊も基地を置いている。

オーストラリア政府は20日、国家安全保障上のリスクを検討した結果、同国北部のダーウィン港を中国企業に99年間にわたり貸与する契約を取り消さないことを決定したと発表した。中国側の契約企業は山東省日照市の本社を置き、不動産事業や木材防疫、港湾物流を手掛ける嵐橋集団(ランドブリッジ・グループ)。

オーストラリア政府は、「自国が競争力のある外国からの投資先であることを確実にしつつ、安全保障が損なわれていないと国民が信じられるようにすることができる」との考えを示し、ダーウィン港の租借については、規制体制が健全であり、港湾を含む重要インフラのリスク監視が十分であるため、リース契約の変更や廃止は必要ないと説明した。

ダーウィン港は、オーストラリアではアジア近隣諸国に最も近い同国北部にあり、オーストラリアの防衛態勢を長距離抑止に移行させるための軍事再編の一環として、移動や配備が容易な比較的軽装備の陸軍部隊が駐屯している。また、米国もオバマ政権時からダーウィン港に海兵隊の基地を置いている。同地域における中国の影響力を抑制し均衡を保つためのアジア戦略の一環とみられている。

オーストラリア側が中国企業の嵐橋集団とダーウィン港の貸与契約を結んだのは2015年10月で、米国はオーストラリアと親密な関係であるだけに、衝撃を受けたとされる。当時のオバマ大統領も不快感を表明した。その後、オーストラリア政府は中国の影響力排除を目指すようになった。オーストラリア政府は、中国企業の華為技術(ファーウェイ)の活動を制限したり、他国とともに新型コロナウイルス感染症の起源調査を呼び掛けるなどをし、中国側はオーストラリアからの輸入を制限するなど事実上の報復をしていた。

また、中国側が中国系オーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイ(成蕾)さんを中国国内で20年8月から拘束するなどで、両国間の緊張はいっそう高まった。チェンさんは、国外に中国の国家秘密を洩らした罪で、北京市内の裁判所で懲役2年11カ月の有罪判決を言い渡された。チェンさんは23年10月11日までに釈放されて帰国した。中国外交部の汪文斌報道官は同日の記者会見で、「健全で安定した中豪関係は両国や両国民の利益と一致する」「中国は、オーストラリアとともに両国関係を改善させていくことを望む」と述べた。

オーストラリアでは22年5月の総選挙の結果、保守派のモリソン政権から中道左派の労働党アルバニージー政権に政権交代した。アルバニージー政権も、中国企業へのダーウィン港貸与の契約を見直すと表明していた。(翻訳・編集/如月隼人

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