日中経済の「デカップリング」は容易ではない―中国メディア

Record China    2023年10月19日(木) 5時0分

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中国メディアの参考消息は16日、日中経済の「デカップリング(切り離し)」は容易ではないとする記事を掲載した。資料写真。

中国メディアの参考消息は16日、日中経済の「デカップリング(切り離し)」は容易ではないとする記事を掲載し、オーストラリアのオンラインマガジン、イースト・アジア・フォーラムにこのほど掲載された「岸田外交が政経分離の原則を後退させる」とする論評を取り上げた。

論評はまず、「日中間の製造、技術、金融の分野における深い経済協力は、数十年にわたる政治的および領土紛争とぎこちなく共存してきた。このため、日本は政経分離の原則を通じて中国との経済関係を発展させてきた。日本は、米中の戦略的競争の激化および自身の『核心的利益』の確保という長期目標の中で、中国への経済的依存に対する懸念を強めている」とした。

そして、「中国と経済的に関与するための政経分離の原則は、岸田文雄首相の新たな『経済現実主義』外交に取って代わられつつある。日本の経済安全保障に対する政治的影響に関する懸念に対処するための政策アプローチには、サプライチェーンの選択的多様化による中国離れや、製造業などにおいて海外に移した生産拠点を国内に戻すリショアリング、同盟国や友好国など近い関係にある国々と限定したサプライチェーンを構築するフレンドショアリング、国家技術開発などが含まれる」と指摘した。

論評は、「政経分離の原則から遠ざかることにより、経済的脅威に対する日本の脆弱性やサプライチェーンの武器化に対する懸念が高まっている」と指摘。「日本の政治指導者らはすでに、サプライチェーンを選択的に多様化し、中国への依存を軽減することで経済安全保障を強化するため、多大な戦略的資源と財政的資源を投入している。先端半導体の国内生産拠点の確保など、経済安全保障のための補正予算の採択などに取り組んできた。補正予算は、サプライチェーンを支援し、サプライチェーンの多様化を促進するための国内投資の促進に重点を置いている」とした。

さらに、「政治的および安全保障上の複雑さにもかかわらず、相互に依存する経済関係はほぼそのまま残され、深化し、高度に補完的だ」とも指摘。「日本の商品とサービスの主要市場として中国に代わるものはない。日本企業は中国で、特に自動車、エレクトロニクス、機械部門に多額の投資を行っている。中国は日本企業にとって低価格の商品や部品の主要な供給源でもある。この役割により価格が低く抑えられ、世界市場における日本製品の競争力が強化されている」とした。

また、「中国は引き続き、レアアース金属の採掘と輸出を独占している」「エネルギーやその他の鉱物資源と同様に、日本はレアアース金属においても国内資源に乏しく、輸入に頼っている。新しい鉱山の開発は難しく、費用がかかり、供給者として中国に代わる実行可能な選択肢はほとんどない。カナダとの最近の取り組みは依然として財政的に実行不可能だ」などとし、「レアアース金属の代替資源の開発には、鉱石の抽出と加工だけでなく、その金属を製品に使用できる下流産業の開発も必要だ。日本には強力なハイテク産業があるが、レアアース金属を使用する新産業の開発には時間がかかり、多額の投資が必要で、現在の市場の需要を満たさない可能性がある」とも指摘した。

そして、「経済安全保障を強化し、経済的脅威やその他の形態の経済的不安定さに対する回復力を構築することは困難になるだろう。岸田首相と将来の政権には、活動が安全かつ持続的に行われることを保証するために、さまざまな環境基準を満たしながら、レアアース金属の新しい鉱山と処理施設を開発することが求められるだろう」と論じた。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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