日本のエネルギー政策はどこへ向かう?―中国メディア

Record China    2023年10月13日(金) 8時0分

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11日、中国能源報は、日本のエネルギー政策がさまざまな課題を抱えており先行きが見通せない状況であることを紹介する記事を掲載した。資料写真。

2023年10月11日、中国メディアの中国能源報は、日本のエネルギー政策がさまざまな課題を抱えており先行きが見通せない状況であることを紹介する記事を掲載した。

記事は、日本の西村康稔経済産業大臣が9月末にカナダを訪れ、新エネルギー自動車用バッテリーの生産に不可欠なニッケル、コバルト、リチウムなどを日本に供給する協力覚書を交わしたほか、その前にはナミビア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ザンビア、マダガスカルとアフリカ諸国を歴訪し、バッテリー生産に必要な重要鉱物の供給を求めたと伝えた。

その上で、日本はこれまで何度もエネルギー構造改革を行ってきたが、資源不足に伴う輸入エネルギーへの依存から脱却できていないと指摘。1970年代に第一次オイルショックが発生した際に石油輸入への依存度を下げるため、原子力や天然ガスなどエネルギー源の多様化を推進し始め、1990年代末までに51基の原子力発電所を建設し発電能力は約4292万キロワットと日本の総発電能力の37%を占めるに至ったものの、2011年の原発事故によって原発推進が頓挫、原子力発電所の大規模な停止によって日本は石油や天然ガスを輸入に頼るという旧態依然とした方法に戻らざるを得なくなったとした。

そして現在、日本の電力供給は依然として石油とガスに大きく依存しており、2021年の非化石燃料発電シェアはわずか27.1%にとどまっていると紹介。日本政府も23年版の「エネルギー白書」の中で「日本の一次エネルギー自給率は13.3%しかなく、危機に直面している」と危機感を示していると伝えた。

記事は、日本でもこれまで再生可能エネルギーの開発に取り組んできた経緯はあるとし、政府が電力会社に太陽光発電などの再生可能エネルギーを高値で買い取ることを求め、企業の太陽光発電産業への参入を促したものの、好調な時期は長く続かなかったと伝えたほか、風力発電の開発をエネルギー転換の切り札と捉え、2030年までに洋上風力発電の発電容量を1000万キロワット、2040年には3000万キロワットに増やす計画も立てたものの、日本の総発電容量の数%程度にしからならないこと、日本は山がちな地形で地上風力エネルギー開発の可能性は限られている上、洋上風力発電はコストが高いだけでなく、台風などによる損失リスクや漁業への影響などの課題が山積みになっていると指摘した。さらに、今年9月には日本風力開発株式会社と衆議院議員との間で贈収賄スキャンダルが発覚したこともあり、風力発電プロジェクトに対する疑問の声も大きくなっているとした。

また、日本政府が今年「グリーン・トランスフォーメーション実現に向けた基本方針」を改定し、原発の再稼働、新世代の原子力発電装置の開発、水素やアンモニアの研究・利用支援、エネルギー安全保障の推進、再生可能エネルギーの導入など、一連のエネルギー転換策を定めたと紹介する一方で、水素と原子力にエネルギー転換の未来を賭す政府の方針に対する論争が後を絶たないと指摘。日本の水素エネルギー技術は利用が中心であり、水素の安定供給に関する研究開発が遅れているため「日本のエネルギー輸入依存という旧来の問題を解決する新たなエネルギー源」として水素を利用することは難しいほか、水素自給のために原子力を利用しようとすれば原発再稼働のジレンマに直面することになるといった課題を挙げている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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