中国の「敵ゼロ政策」が試練を迎える―独メディア

Record China    2023年10月11日(水) 16時0分

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10日、独ドイチェ・ヴェレは、イスラエルとパレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの軍事衝突で、中国政府の「敵をつくらない戦略」が試練を迎えているとする専門家の見解を報じた。

2023年10月10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、イスラエルパレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの軍事衝突で、中国政府の「敵をつくらない戦略」が試練を迎えているとする専門家の見解を報じた。

記事は、ハマスがイスラエルに対するテロ攻撃を開始した後、イスラエルがガザ地区に対する空爆を開始したと紹介。中国外交部は各当事者が自制し、政治的手段によって包括的かつ適切な解決を達成するよう呼び掛けるとともに「中国はイスラエルとパレスチナの共通の友人だ」とコメントしたものの、イスラエルは中国の姿勢に共感しておらず、中国は地域紛争の矢面に立たされていると伝えた。

そして、イスラエル・テルアビブ在住の中国研究者、ガリア・ラヴィ氏が「これは国家間の紛争ではなく、老人、女性、子ども、赤ん坊を殺し、彼らの家を襲撃するテロリストの攻撃であり、中国の提案は現在の情勢に対する理解が完全に欠けている」と指摘するとともに、「われわれは『あなたたちの友人です』などと言う者に期待を寄せることは絶対にない。米国はハマスを強く非難するとともに、イスラエルを守るために中東に空母を派遣した。では中国は何をしたのか。真の友が誰であるかは、いざという時になって初めて分かるものだ」と論じたことを伝えた。

また、英ロンドンの王立国際問題研究所(チャタムハウス)で中東・北アフリカプロジェクトのアシスタント研究員を務めるアーメド・アブドゥ氏が中国外交部の声明について「イスラエルとパレスチナの間でバランスを保つことで、責任ある大国の立場を確立しようとしている」と分析した上で、イスラエルの反応を見る限り「中国の中東で『一帯一路』イニシアチブにおいて敵を作らない政策が現実的な試練に直面していることを意味する」と述べたことを紹介した。

記事によると、アブドゥ氏はさらに中国はイスラエル・パレスチナ問題の「国際化」、つまり国際社会をその解決に巻き込むことを強調しているのだとしたほか、中国が過去においても現在においても、この複雑で深く根を下ろした紛争において詳細かつ成功裏に善後策を実施する機会を得たことはなく、習近平(シー・ジンピン)国家主席が6月に中東和平への関与拡大姿勢を示したことを含めて「美辞麗句の域を出ることはなかった」 と指摘。中国が中東問題でより重要な役割を果たす意思を示す本当の理由は「調停者としての米国のほぼ独占的な役割にあらがい、これに挑むかその合法性を弱まらせるため」との見方を示している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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