チョウ・ユンファが「中国では映画への制限が多い」と発言、中国大陸部で敏感な反応

anomado    2023年10月8日(日) 15時20分

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香港人俳優のチョウ・ユンファが公の場で、「中国では映画に対して多くの審査を受けねばならない」と問題視する発言をした。写真左は演技するチョウ・ユンファ。

韓国の釜山(プサン)で4日、釜山国際映画祭が始まった。香港人俳優のチョウ・ユンファ(周潤発)は同映画祭で5日、アジア映画人賞を受賞した。チョウは受賞に伴う記者会見で、「中国では映画に対して多くの審査を受けねばならない。われわれの作品の多くの政府部門の審査に合格せねばならない」と発言した。中国大陸部のネットユーザーは同発言を批判した。

チョウは韓国映画を「極めて大きな自由がある」と述べ、韓国映画が香港映画の伝統を受け継ぎ、ハリウッドでも成功を収めたことをうれしく思うなどと述べた。

チョウはさらに、「1980年代には多くの人が香港映画を見た。それが自慢だった」と述べた上で、「しかし(香港が英国から中国に返還された)97年に多くの状況が変わった。われわれは政府の方針に注意せねばならなくなった。これはとても重要だ。そうでないと映画制作の資金を獲得するのが難しいからだ。なぜなら中国市場は極めて大きい。だからわれわれは、問題を解決する方法を探っている」と述べた。

今のところ、チョウの同発言を報じた大陸メディアは見当たらない。ただし、同発言を伝え聞いた中国大陸部のネットユーザーは敏感に反応した。SNSには「カネも名声も十分にあるから声を上げられる」「言っていることは完全に正しい」「娯楽作品を撮影しても放送できない」「中国の映画人も改革をしていないわけではない。審査に通らないだけだ」といった、チョウの発言に賛意を示したと理解できる投稿が多く寄せられた。

一方で、チョウを批判する声も多く寄せられた。「香港の映画人は、自分自身の問題を探し出せないのか。中国での40億も50億もある興行収入は、すべて愛国主義の映画によるものなのか?」「香港のベテラン映画人は傲慢だ。大陸での審査は厳格だ。ただし香港映画の没落にはたいして関係ない」「香港の映画人はいつも環境のせいにする。そうだ。永遠に自らの失敗を認めないのだ」などと、香港映画が往時の勢いを失ったことと、大陸当局の審査制度に関係はないとする主張だ。

チョウが絶賛した韓国映画は、興行収入の面で不調が続いている。それに対して中国大陸の映画産業は「絶好調」の状態だ。10月5日時点での2023年年初来の興行収入は累計で471億元(約9770億円)に達し、通年では新型コロナウイルス感染症の発生直前の2019年に達成された646億6600万元(約1兆3400億円)の過去最高記録を上回る可能性が出てきたとされる。また、23年の興行収入上位5位まではいずれも、中国大陸部で制作された作品だ。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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