「一帯一路」10年、中国は何を得たのか―独メディア

Record China    2023年10月6日(金) 9時0分

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4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、今年で10年を迎えた中国の「一帯一路」イニシアチブの変化について紹介する記事を掲載した。

2023年10月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、今年で10年を迎えた中国の「一帯一路」イニシアチブの変化について紹介する記事を掲載した。

記事は「一帯一路」について、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの頭文字をとったもので、習近平(シー・ジンピン)国家主席が2013年9月にカザフスタンを訪問した際に提唱し、同11月の中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議で国家戦略に格上げされたと紹介。それから10年、港湾やダム、道路、橋、鉄道、ガスパイプラインなどの大型インフラ建設プロジェクト協力を主体とする「一帯一路」に150カ国以上が参加し、投資総額は1兆ドル(約150兆円)に達したと伝えた。

一方で、ドイツの金融メディア「フィナンツ・マークウェルト」は、中国の「国家プロパガンダマシン」が「一帯一路」10周年を大々的に取り上げていないように見え、習主席が打ち出した新しいコンセプトである「グローバル開発イニシアティブ」「グローバル安全保障イニシアティブ」「グローバル文明イニシアティブ」をよりフォーカスしていると指摘し、これらのイニシアティブが今後「一帯一路」以上に中国のグローバル協力により深く関与し、協力の概念的根拠になるとの見方を示したことを紹介している。

また、米バージニア州のデータ分析機関AidDataによると「一帯一路」プロジェクトの31%が、汚職スキャンダル、労働法違反、環境破壊、市民による抗議などの問題に遭遇していると指摘。債務問題も大きな懸念事項になっており、「一帯一路」による融資プロジェクトの25%が不良債権化しているとした。

その上で、「一帯一路」を通じた大規模な融資は実質的に17年にピークを迎え、それ以降の投資はピーク時の65%とプロジェクトの規模が大幅に縮小していると紹介。提唱から10年を迎えた「一帯一路」が大きな転機を迎えており、習主席による「小さくて美しい」という方針を踏襲し、プロジェクトの質と持続可能性をより重視する姿勢が打ち出されるようになったと伝えた。そして、大規模なインフラ建設が主体だった投資の焦点も風力・太陽エネルギー開発や、リチウムをはじめとする鉱業、製造業へとシフトする傾向もますます顕著になっていると論じた。

記事は、中国が8月末に第3回「一帯一路」国際協力フォーラムを10月に北京で開催すると発表したと紹介する一方で、「10周年を迎えた中国の野心的な計画は、大きな後退を余儀なくされた」とし、G7諸国の中で唯一の「一帯一路」メンバーであるイタリアが離脱を検討していると指摘。イタリアの新首相に任命されたフランチェスコ・メローニ氏が「一帯一路」への参加を「大きな過ち」と呼んでおり、現在の参加契約更新の回答期限に当たる今年12月までに離脱の是非について決断を下す姿勢を示していると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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