日本のメディアはなぜ「中国人の訪日旅行ブーム」をでっち上げたのか―中国人専門家

Record China    2023年10月4日(水) 7時0分

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中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は2日、「日本メディアはなぜ中国人の訪日ブームをでっち上げたのか」との記事を掲載した。写真は上海浦東国際空港。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は2日、「日本メディアはなぜ中国人の訪日ブームをでっち上げたのか」との記事を掲載した。著者は黒龍江省社会科学院東北アジア研究所研究員で東北アジア戦略研究院主席専門家の笪志剛(ダー・ジーガン)氏。

笪氏は「中国人が中秋節国慶節(建国記念日)が重なったスーパーゴールデンウイークを楽しむ中、日本もこの休暇を取り上げ始めた」と言及。日本のメディアが相次いで「北京発東京行きの航空便が満席になっている」「日本が中国人観光客の人気の旅行先になっている」などと報じたことを挙げ、「それを中国人の核汚染水(処理水)海洋放出に対する態度と強引に結び付け、中国人は忘れっぽいだの、核汚染水(処理水)の海洋放出を気にしていないだのと、誤解を招くような論調を意図的に作り出している」と主張した。

また、「日本は核汚染水(処理水)の海洋放出以降、さまざまな手段を用いて責任をごまかしてきたが、今回もわれわれのゴールデンウイークというテーマを理由としてそうしたことを行っている」とし、「日本メディアによる世論戦や虚偽宣伝を事実によって暴き、世界の人々に日本の世論、さらには日本政府の核汚染水(処理水)海洋放出問題における無責任なやり方をよりはっきりと認識させる必要がある」と強弁した。

笪氏は3点を挙げており、まず「(日本メディアは)意図的に概念をあいまいにしている」と指摘。「中国の訪日団体旅行の再開、日中間のビジネス往来や帰省などの需要の高まり、10月が留学生の入学シーズンであることなど、さまざまな理由による訪日者数の増加を関連付け、『訪日中国人=中国人観光客』という大雑把なイメージを作り出した」とし、「特に日本行きの便には帰国する日本人がいることを見落としている」と主張した。

次に「観光の話題によって(処理水放出の)責任を薄めようとしている」と指摘した。「日本の一部メディアは訪日中国人観光客への取材に際し、回答者の身分を隠したり現場の音声を消したりするなどの『編集』によって、一方的に『核汚染水(処理水)の放出は中国人の訪日に影響を与えない』といった回答を導いている。その目的は、故意に『中国人の自己矛盾』に帰結させるためである」とした上で、「海外旅行市場は確かに活況を呈しているが、あいにく日本は日本メディアが言うほど大人気ではなく、団体旅行に至ってはほとんど報告されていない。日本メディアが中国人の訪日旅行に便乗して核汚染水(処理水)放出の責任を薄め、ごまかしているのだ」と主張した。

そして第三に「“相手の力を利用して相手を倒す”という考えを誤って用いている」とし、「日本メディアがこうした宣伝戦を始めたのは日本に有利な情報を醸成することにほかならない。しかしこれは方向性を間違っている。もともと回復が見込まれていた中日間の観光や、日増しに増える留学・ビジネスの往来をもって核汚染水(処理水)放出を正当化するのは強引で危険だ。ましてや、現在の中日間の週の往来便数は365便にすぎず、コロナ前のピーク時の週1000便以上とは程遠いのだ」とした。

笪氏は、「日本は日本のやり方は国際社会の普遍的な理解と支持を得ていると主張するが、でたらめだ」とし、「中国、韓国、東南アジア諸国などで多くの人々が強く反対しているだけでなく、太平洋の島国、一部の中南米諸国など、各方面からも懸念の声は一貫して上がっており、国連総会で日本を批判する国もあった。日本国内でさえ漁業団体を含む少なからぬ人が反対や懸念を示している」と主張。「日本のメディアが音頭を取って偽情報を流すことは過去にも少なくなかった。日本メディアの懸命なやり方とは、日本政府にこの問題を直視させ、修正するよう促すことであって日本政府を助けることではない」などと論じた。

なお、中国メディア・新浪新聞の微博(ウェイボー)アカウントが笪氏の主張を引用して行ったアンケート調査では、「あなたは日本に旅行に行く考えがありますか?」との問いに5時間余りで1万5000ほどの投票があり、「全くない」が1万2000票弱を集める一方、「ある」も3000票ほどと全体の約20%を占めている。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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