中国EVの大軍が欧州を侵略する?―独メディア

Record China    2023年9月5日(火) 6時0分

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独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは2日、「中国電気自動車の大軍が欧州を侵略する?」とする記事を掲載した。

独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは2日、「中国電気自動車(EV)の大軍が欧州を侵略する?」とする記事を掲載した。

記事によると、ドイツでは数年前まで、比亜迪BYD)、小鵬(XPENG)、東風(Dongfeng)などのブランドは、自動車業界関係者でなければその名前を挙げることができなかった。しかし今では、中国の自動車メーカーが最新のEVを、ドイツで開催される欧州最大級のモーターショー「IAAモビリティ」に持ち込むようになっている。

フランスの大手コンサルティング会社キャップジェミニのPeter Fintl氏は「欧州でも中国の自動車産業の能力を体験できるようになった」とし、中国メーカーの自動車がデジタル化や自動運転などにおいて西側のライバルとなる中、「これは多くの人にとって忘れられない体験になるだろう」と語る。

ドイツを拠点とするフォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツは、中国のライバル企業がますます世間に注目される中、プレッシャーを受けつつ、中国メーカーの急成長に追いつくために必死に取り組んでいる。Fintl氏は、米EV大手テスラがこの分野で巻き起こした旋風を挙げ、「信じられないほどの革新のオーラを放つ製品を開発する会社が突然現れた。対照的に、自分たちのモデルは技術的に何も変わっておらず、時代遅れになったように見える」と指摘する。その結果、多くの購入者は中国メーカーの間でどの車を購入するか決めることになる。

西側の自動車メーカーは追い上げ、競争力のある車を投入しているが、コスト上昇と景気低迷が足かせとなっている。それに対し中国は、国内生産コストの安さから恩恵を受け、独自の電池生産施設も設立し、これが大きな競争上の優位性となっている。自動車以外に革新的なバッテリーも製造しているBYDはこの恩恵を特に受けている。中国南部の深センに本社を構えるBYDは、フォルクスワーゲンを追い抜いて中国で最も売れているブランドとなり、その照準を世界的に好調なテスラに合わせている。

中国のEVが最終的にどれだけの市場シェアを獲得できるかは、顧客の乗り換え意欲にかかっている。ブランド忠誠度は低下傾向にある。マッキンゼーの調査によると、回答者の半数以上がEVに乗り換える際に新しいブランドを試すのを想像できるとし、ピュアEVへの乗り換えにおいてはこの割合は70%に達する。ただし、地域によって大きな相違があり、ブランドを変更する意思があると回答したのは、ドイツではわずか36%だったのに対し、米国では50%、中国では75%に上る。

ドイツでは政府がEVへの補助金を削減しているため、人々のEV乗り換えペースは鈍化する可能性がある。そのため、欧州のEV市場で足場を築こうとする3度目の試みを行っている中国メーカーは、慎重に作業を進めることになるだろう。ドイツの著名な自動車評論家、Ferdinand Dudenhöffer氏によると、短期的には中国ブランドの波が現れることはないが、中国の自動車メーカーが台頭する日はきっと来る。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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