福島絡みで中国で放射線測定器が「バカ売れ」、ただし対象が何であっても警報音

Record China    2023年9月3日(日) 10時40分

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中国では、日本の福島における処理水の海洋放出を強く心配する人が多い。そのため、放射線測定器が大いに売れるようになった。ただし、まったく役に立たない商品との指摘もある。

中国政府は、日本の福島における処理水の海洋放出は「極めて危険」と主張し続けており、メディアも自国政府の論調に基づいた報道を続けている。中国人は一般に「自分の健康は自衛するしかない」と強く思う場合が多いため心配する人も多く、家庭向けの放射線測定器が大いに売れるようになった。ただし実効性は極めて疑わしく、測定対象が何であっても警報音を出す場合があるという。

上海在住の女性の徐さんは8月29日夜、自宅で上海ガニを調理した。そして、しばらく前に通販サイトで購入した放射線測定器で、蒸しあがったカニの放射線を測定したところ、警報音が鳴り響いた。その場にいた全員がパニック状態になってしまったという。

ところが徐さんが翌日、自分の娘の腹部にこの測定器を向けたところ、やはり警報音が鳴り響いた。そのことで、徐さんは警報機の性能を疑うようになった。

徐さんによると、放射線測定器を買ったのは8月で、価格は368元(約7400円)だった。通販サイトでは放射線測定器は極めてよく売れているらしく、すでに品切れになったショップもある。さらに価格も上昇しており、徐さんが購入した測定器と同じ商品が、現在は458元(約9200円)で売られている。

徐さんはさらに、同じ測定器を起動して机の上に置いた。すると2分後には、測定値が基準の3倍以上の毎時3.33マイクロシーベルトに跳ね上がった。

同件についてアモイ大学中国エネルギー政策研究院の林伯強院長は、「海産物を対象とするこの種の被ばく試験は、これまで実施されたことがなかった。少なくとも中国ではなかった」と指摘。林院長はさらに、メーカーがどのような指針で製造したのか分からないと述べた。

専門家は家庭における放射線測定は「基本的に役に立たない」と指摘している。仮に本当に被ばくした場合でも、自宅で薬を服用して治療できるわけではなく、病院で科学的な方法で診断と治療を受けるしかないからだ。

中国には「智商税商品」という言い方がある。日本語に訳せば「知能指数税商品」で、知識や判断力が欠如していたために、雰囲気や宣伝に影響されて必要がないのに購入してしまい、後悔しつつ「要するに授業料を払わせられのか」と思うしかない商品のことだ。中国では、最近になって大いに売れている放射線測定器についても、「智商税商品の一種」との意見が見られるようになった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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