中国の女優ヤン・ミー（楊冪）がこのほど、国家広播電視総局が主催する座談会に出席し、高額報酬と二重契約書のボイコットを口にしたことが注目された。

国家広播電視総局の傘下組織、中国広播電視社会組織聯合会が29日、テレビ・ラジオ放送に関わる人々の職業道徳をテーマにした座談会を北京市で開催。芸能界からヤン・ミーをはじめ、タン・グオチアン（唐国強）やワン・ジンソン（王勁松）、ワン・イーボー（王一博）ら有名俳優が出席した。

この座談会にチャイナカラーの白いシャツ、黒いパンツのフォーマルなファッションで出席したヤン・ミーは、演技者の自覚として「公明正大、清廉潔白」の精神を持ち、よく話題に上る驚くほど高額の出演料や、「陰陽合約」と呼ばれる二重契約書の不正行為を「ボイコットすべき」と発言した。

これについて中国のネット上では、18年に高額報酬への規制がスタートするまでは「ヤン・ミーも恩恵を被っていた」という声や、「今も高額は変わらず、言える立場ではない」などと批判の意見もあるが、「このような席で堂々と言い放つのはクリーンな証拠」「もし後ろ暗いことがあれば、こういった発言は後に命取りになるだろうから信用できる」「ヤン・ミーは広電組織の常任理事だし説得力がある」といった称賛とともに、18年に脱税騒動が注目された女優ファン・ビンビン（范冰冰）の二の舞いを演じないよう、自ら一線を画したと指摘する声も上がっている。

ヤン・ミーは中国の人気女優の中でもトップクラスの年収で知られており、米経済誌フォーブス中国版による毎年恒例の「中国有名人ランキング TOP 100」（Forbes China Celebrity 100）で12年に13位で初登場。その後、7位、6位と年々順位を上げ、17年には3位に浮上。最新の22年度版は4位に登場している。また、ファン・ビンビンの脱税騒動があった18年の納税額は1553万3300元（約3億700万円）と公表されており、この年の中国人女優の納税額ではトップとなっている。（Mathilda）