香港の「蚊サイズマンション」、賛否両論だが大人気―中国メディア

Record China    2014年8月2日(土) 23時27分

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31日、李嘉誠氏が率いる長江実業がこのほど、新界の大埔区で「嵐山第一期プロジェクト」の販売予約をスタートし、香港で最も安く買える物件が売り出された。写真は香港。

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2014年7月31日、香港の若い人々の元へ不動産市場のグッドニュースが飛び込んできた。李嘉誠(リー・ジアチョン)氏が率いる長江実業(集団)有限公司がこのほど、新界の大埔区で「嵐山第一期プロジェクト」の販売予約をスタートし、香港で最も安く買える物件が売り出されたのだ。

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▼最小住宅の記録を塗り替える

嵐山第一期プロジェクトの販売予約では第一弾として260の物件が売り出され、このうち43件は超小型マンションで、面積はわずか10数平方メートルしかなく、香港の最小住宅の記録を塗り替えた。小さければ、それ相応に価格も安い。このマンションの販売価格は194万6000香港ドル(約2600万円)から223万6000香港ドル(約3000万円)で、開発業者は最大で15%の割引サービスを提供する。18平方メートルの物件の場合、割引後の最低価格は165万香港ドル(約2200万円)で、1平方メートルあたりの価格は9万2000香港ドル(約120万円)だ。香港メディアは皮肉を込めてこうした物件を「蚊サイズマンション」と呼び、居住面積が8平方メートルほどしかないので、まるで香港の刑務所の独居房のようだという。香港の赤柱監獄の独居房のサイズがこれに近く、面積は7.5平方メートルだ。

だが、この物件は小さくて機能は充実している。キッチン設備があり、浴室があり、浴槽もあり、小さいながらベランダまでついている。メディアは賛否両論大騒ぎしているが、人々の購入意欲には何の悪影響もない。若い独身貴族たちはこのようなミニサイズの物件が大好きで、最近では香港で最も人気のある物件タイプになっており、「奪い合い」といわれることさえある。

▼低所得者への福音 誰でも買える蚊サイズ物件

こうしたミニサイズ物件はここ2年ほどの間に香港で流行するようになった。その最も直接的な原因は、面積が小さくて価格が安いことにある。不動産価格が長らく高止まりしている香港では、こうしたタイプの物件は豊富な資金をもたない不動産購入希望者にとって唯一の選択肢になる。嵐山プロジェクトの超小型物件の場合、最低販売価格は165万香港ドルで、価格はよくある50平方メートル前後の2LDK物件の半分以下だ。不動産仲介業者が営業活動でいみじくも言い当てたように、ミニサイズ物件はまさに「低所得者への福音」だ。

注目すべきは、こうした蚊サイズマンションを買う人の多くは、初めて不動産を購入する独身者か子どものいない若い夫婦だということだ。

香港城市大学の曽淵滄(ツン・ユエンツァン)教授はこれまでたびたび文章を発表して、超小型マンションの建設を提唱してきた。「多くの独身者にとっては、ホテルのシングルルームのような空間があれば十分で、これまでの設計でよくみられた3人以上のファミリー向けで2-3の居室があるタイプの物件は、豊かとはいえない独身者にとって空間の浪費以外の何ものでもなかった。スーパーマーケットなどに行けば電子レンジで温めて食べられる食品がたくさん売られており、ターゲットは料理をしない独身者たちだ。こうした独身世帯の増加は時代の大きな流れだ。よって長江実業に続いて、他の不動産開発業者もこうした流れに乗っていくことは確実とみられる」という。

蚊サイズマンションはますます件数が増え、ますます面積が小さくなっている。ここには超小型住宅に対する需要の増大が反映されているだけでなく、香港不動産市場がこれまでの豪邸志向から、購入者のニーズがより多く主導する市場へと転換しつつあることが映し出されている。サイズがますます小さくなり、価格もこれにつれてますます低くなり、若い人々の硬直的な需要を満たすことは、不動産市場がより健全化することであり、朗報だといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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