中国北部を襲った大雨、ドローンなどの最新技術が寸断された通信網をカバー

Record China    2023年8月20日(日) 9時30分

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中国北部を襲った大雨でドローンなどの最新技術が寸断された連絡網をカバーする役割を果たした。ドローンは24時間超の滞空時間を保ち、インターネット接続などを可能にした。

中国北部を襲った大雨が各地に甚大な被害を与える中、ドローン(無人機)などの最新技術が寸断された連絡網をカバーする役割を果たした、と中国紙が報じた。緊急通信用ドローンは200メートル上空で24時間を超える滞空時間を保ち、12平方キロ近くに及ぶ被災地でインターネット接続などを可能にした。

AFP通信が紹介した東方新報の記事によると、北京市では台風5号の影響で、7月29日から8月2日にかけて豪雨が発生。観測記録が残る140年間で最大の雨量となり、倒壊・破損した家屋は20万戸以上、死者・行方不明者は50人を超えた。

特に北京市南西部の門頭溝地区では住民の8割近い31万人が被災した。北京に隣接する河北省涿州市でも洪水被害が目立ち、一時連絡が取れなくなった集落が多かった。涿州市は「三国志」で劉備・関羽・張飛の三人が旗揚げした地として、日本の観光客も訪れる場所だ。

この被災地で通信網確保に急いだのが中国電信(チャイナテレコム)、中国聯合通信(チャイナユニコム)、中国移動(チャイナモバイル)の三大通信事業者だ。洪水や山津波などで中継基地や通信網が機能を失った代わりに、緊急通信用ドローンやオフロード緊急車を大量に投入して臨時の通信ネットワークを整備。通信衛星や遠隔データ転送と連動し、門頭溝地区などとの連絡を回復させた。

現代人にとって、人との連絡はスマートフォン頼みとなっている。突然の災害時に電波が届かなくなると、途端に助けや連絡を取る方法を失う。生命の危機といえる状況にすぐにはならなくとも、「スマホが使えない」こと自体が心理的な負担となる。

今回の災害ではドローンの空中通信ステーションなどを通じ、被災者のスマホに「早急に家族と連絡し、救助を待ってください。ご無事を祈ります」とショートメッセージを発信。臨時の連絡網を確保したことを伝えて、被災者がショートメッセージや緊急電話をかけることができた。

中国移動保定支社の盧剛副社長は、「ドローンを使った緊急通信システムは洪水、地震などの災害や山間部、渓谷、高地といった自然環境でも柔軟に対応できる」と説明。未曽有の大水害の中、最先端技術が効率的で短期間の通信回復をもたらしたとしている。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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