香港でも大人気の無印良品。日本人だけでなく香港人の根強いファンも数多く獲得しており、市内のどの店舗も常に混雑している。

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無印良品が九龍湾のTelford Plazaに香港最大の売場面積を誇る店舗をオープンしたのは2020年6月。MUJI香港初の食をテーマとした店舗となっており、旬の野菜やフルーツ、米、調味料に至るまで、まるでスーパーの食料品売り場のような品ぞろえになっている。

そしてこの大型店舗に登場したもう一つの「香港初」は刺繍工房だ。日本でも限られた店舗でのみ行われている刺繍サービスがこの大型店舗内に設けられた。当日にMUJI香港で購入したものを持ち込むと有料で刺繍サービスを受けられる。自分で選んだ刺繍を購入した商品の好きな場所に施してもらい、世界に一つだけのオリジナル商品を作ることができる。

香港Telford Plazaの刺繍工房の売りは、香港唯一の工房であること、そして香港限定の刺繍柄がそろっていること。香港限定柄は日本の刺繍作家のデザインだ。この工房には鈴木久美子さん（通称マカロニさん）がデザインした香港の乗り物や食べ物など11点の刺繍デザインがそろえられており、その中から好きな柄を選んでオーダーできる。どの柄も香港の魅力を最大限に表現した香港ならではのアイコンとあって、オープン当初から大人気となっている。

こちらが鈴木さんデザインの刺繍パターン。タクシーやミニバス、香港トラム、飲茶の点心と茶餐廳といわれるローカル食堂で人気のメニューがデザインされている。どれも非常にかわいらしく、どの柄を選ぶか迷ってしまう。

オープン当初はあまりの人気に仕上がりまで1カ月ほどかかったこともあったというが、数年たった今は約1週間で受け取れる。なお、この刺繍サービスを受けられる商品は少し厚めのハンカチやTシャツ、バックなど。

刺繍サービスは香港人のみならず、日本人在住者にも大人気で、自分用、帰国時のお土産用、香港を離れる友人への餞別などに幅広く利用されている。

刺繍工房の壁には鈴木さんの作品から作られた大きなハンカチが飾られている。鈴木さんが世界で一番好きな街だという香港のあれこれをぎゅっと詰め込んだにぎやかで香港愛あふれる大作だ。このハンカチは日本や香港の一部店舗で販売されているが、なかなか入手が難しい香港在住者にとっては、細かな作品を間近で見られるだけでもこの工房を訪れる価値があるかもしれない。

皆さんも日本人作家が発信する香港の魅力を刺繍してもらい、自分だけの香港グッズを作ってみてはどうだろうか。（提供/フライメディア）