200円のAI写真生成アプリが大人気、写真スタジオは不要に?―中国

人民網日本語版    2023年8月14日(月) 19時30分

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「妙鴨相機」という名前のAIによる写真生成のミニプログラムが登場すると、SNSでたちまち大人気になった。

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人工知能(AI)を使えば、誰でも手軽・スピーディー・安全に美を追求できて、まるで自分専属のAIカメラマンがいるみたい。このほど「妙鴨相機」という名前のAIによる写真生成のミニプログラム(アプリ)がこれをキャッチコピーとして登場すると、SNSでたちまち大人気になった。

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従来の写真撮影のプロセスでは、事前に予約を取り、長い時間をかけてメークと衣装選びをし、それからさらに数時間かけて写真を撮っていた。微信(WeChat)のミニプログラム「妙鴨相機」ならもっと手軽で、優待価格の9.9元(約200円)で21枚の写真がアップロードされ、自分専用のデジタルの分身を手に入れることができる。30種類以上あるテンプレートから好きなものを選べ、できあがった写真はスタジオで撮ったものと遜色ない。

これらの「超大作写真」には多彩なスタイルがそろっており、仕事用やシンプルスタイルの証明写真もあれば、香港風、時代劇風などもあり、全部で数十種類に上る。生成された画像はスタジオで撮った芸術写真に近い。多くのネットユーザーがSNSにしばしば非常に美しくできた写真をアップしており、その生成効果のレベルの高さに圧倒された。他のネットユーザーも流行に乗って続々と「妙鴨相機」を試している。

上海財経大学EC研究所の崔麗麗(ツイ・リーリー)執行所長も「妙鴨相機」を体験して、このアプリが主にAIを利用して、消費者それぞれの専有の芸術写真を生成するもので、他のAI写真の同類アプリよりも優れた効果を実現しており、SNSによって人気になったという。

「妙鴨相機」が提供するテンプレート

技術のハードルは高くないが、長期的な人気が続くか?

この9.9元のAI写真と比較すると、399元(約8000円)、599元(約1万2000円)、さらには999元(約2万円)するスタジオ写真はそれほど魅力を感じさせない。価格の開きが大きいこと以外にも、スタジオ写真はプロセスが煩雑で、ネットで予約し、メークして見た目を整え、写真を選び、プリントするなど、一連のプロセスすべてにコストがかかるということもある。この1週間、「妙鴨相機」の人気が高まるにつれ、AIが写真スタジオの海馬体や天真藍を打ち負かすといった議論があちこちで巻き起こった。

メディアが明らかにしたところによると、海馬体は今、「妙鴨相機」に対抗するミニプログラムを急ピッチで準備しており、オンラインでの人材募集の情報から、AIに投資する計画があること、少数の技術者がミニプログラムなどのコンテンツ開発に関わっていることがうかがえる。

多くのネットユーザーが「妙鴨相機」で生成された証明写真をネットにアップし、「写真スタジオとほとんど変わらない」と感嘆の声を上げる。

あるカメラマンによると、AI写真の前にも証明写真を生成することはできたが、効果の違いが肉眼でわかるほどだった。「妙鴨相機」の証明写真を見ると、皮膚の質感が大幅に向上している。ただし専門的な視点から見れば、顔の向きと体の向きにズレがあることがわかるし、視線も定まっていない。写真撮影には複数の種類があり、現時点で「妙鴨相機」が影響を与えているのは人物写真だけで、動きのある写真や記録のための写真にはまだ参入できないという。

前出の崔執行所長は、「こうしたAI生成の効果はよく似ているというにとどまり、遠くから見るのはいいが近寄って見てはだめだ。純粋に『美』を追求するが手間はかけたくないという芸術写真のユーザーなら楽しめるが、『リアル感』のある芸術写真を追求するユーザーにとって、短期的には『妙鴨相機』がその手段になることはないだろう」と指摘した。

清華大学ニューメディア研究センターの沈陽(シェン・ヤン)センター長は、「『妙鴨相機』の遊び方は目新しいものではない。一般的にこうした画像生成はオープンソースのディープラーニングに基づく画像生成AI『Stable Diffusion』をベースに微調整を行うものだ。昨年8月、『Stable Diffusion』のコードとトレーニングのデータがソフト開発プラットフォーム『GitHub』でオープンソースで公開された。ディープラーニングのトレーニングに基づいた画像生成技術は、国際的に見て、技術のハードルはそれほど高くない」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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