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世界のコメ価格が12年ぶりの高値になっている。中国メディアは海外メディアの報道を引用。「世界最大のコメ輸出国であるインドの輸出規制措置が原因」と伝えた。
世界のコメ価格が12年ぶりの高値になっている。国際的なコメ価格はロシアによるウクライナ侵攻で昨年、小麦などの穀物価格が急騰したのに対し、比較的安定していた。中国メディアはロイター通信の報道を引用。「世界最大のコメ輸出国であるインドの輸出規制措置が原因」と伝えた。
国連食糧農業機関(FAO)によると、主要輸出国のコメ価格を追跡するFAO米価格指標の7月の平均値は129.7となり、前月の126.2を上回った。同指標の7月の平均値は昨年通年の108.4を約20%上回っており、2011年9月以来の高値となった。FAOの食料価格指標も7月に上昇し、2年間の低い数値から反転上昇した。
中国網はロイター通信が「コメ価格急騰のきっかけは、世界最大のコメ輸出国であるインドの意思決定だと報じた」紹介。インド消費者行政・食品・公共分配部は7月20日、輸出増が国内のコメ高騰を招いたことを理由とし、「価格を抑え自国の消費を保証」するため、バスマティなどの高級品種以外の米の輸出を禁止すると発表した。
インド、タイ、ベトナム、カンボジア、パキスタンなどはコメの主要輸出国。中国、フィリピン、ベナン、セネガル、ナイジェリア、マレーシアなどはこの主要食糧品種の重要な輸入国だ。
タイの破砕率5%の白米のオフショア価格は7月27日までに、1トン当たり607.5ドル(約8万7000円)に高騰した。7月20日にインドがコメ禁輸を発表してから62.5ドル高騰(11.5%上昇)し、12年5月以来の高値を付けた。
インドの輸出規制措置はコメの需給に重大な影響を生んだ。米国農務省の統計によると、インドのコメ輸出量は22~23年度に2250万トンに上り、世界市場の40%を占めた。インドに次ぐタイの同期の輸出量は850万トンのみだった。
さらに7年ぶりのエルニーニョ現象がコメ不作のリスクを拡大している。エルニーニョ現象が発生すると太平洋赤道海域の海面温度が異常に高くなり、主要生産地の東南アジアで雨不足による干ばつが発生する恐れがあるからだ。
コメと並ぶ主要食糧である小麦の供給にも変動が生じつつある。7月下旬、国際指標の米シカゴ商品取引所小麦先物の9月相場が1ブッシェル7.7ドルを付け、2月下旬以来の最高値となった。
現在は小麦とコメの供給逼迫(ひっぱく)が同時に発生している。この二つが不足すれば、安価な代替案を見つけることが困難になりそうだ。
中国網は「最も深刻な影響を受けるのは経済が低迷し食糧輸入への依存が強いアフリカなどの新興国だ」と指摘。「国際食糧価格が暴騰すれば、これらの国は外貨準備の不足により十分な食糧を調達できず、それにより国内の物価高が深刻化し、大規模な飢餓が生じる恐れもある」と警鐘を鳴らした。(編集/日向)
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