LGBTQなど多様性認めない兆し?北京のコンサート、虹色シャツ禁止―海外メディア

Record China    2023年8月11日(金) 14時0分

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北京で行われたコンサートで多様性を表す虹色の衣類を会場内で着ることが禁止されたと海外メディアが報道。中国でLGBTQなど性的少数者らに対する締め付けが一段と強まっている兆しだ。

台湾の歌手で「阿妹」の愛称で知られる張恵妹さんが北京で5日に行ったコンサートで、多様性を表す虹色の衣類を会場内で着ることが禁止された、と米ブルームバーグ通信が観客の話として伝えた。中国でLGBTQなど性的少数者らに対する締め付けが一段と強まっている兆しだ。

ブルームバーグ通信によると、「インスタグラム」に似た中国のオンラインサービス「小紅書」の男性ユーザーは、会場の警備員から虹が描かれているシャツを裏返すよう求められたと投稿。反射光でシャツの色が変わったため警備員に止められたファンがいたとの投稿もあった。

張恵妹さんのマネジメントサイドと中国のコンサート主催者、公演会場のキャデラック・アリーナはコメント要請に応じなかった。5日の公演を認可した北京市文化観光局の職員は電話取材に同局はコンサート主催者の資格審査のみを担当していると述べた。

中国では3期目を迎えた習近平国家主席体制下で価値観の保守化が進んでおり、LGBTQコミュニティーのメンバーや支援者らに対する圧力が強まっている。2021年にはソーシャルメディアの微信(ウーチャット)に主要大学のLGBTQグループが開設していた数十のアカウントが閉鎖された。

今年5月には中国で15年間運営されていたLGBTQセンターが閉鎖に追い込まれた。LGBTQの認知・支援を呼びかける6月の「プライド月間」に関連する幾つものイベントも、エンターテインメントに対する取り締まりを受けて中止または延期された。

英BBCによると、中国では1997年に同性愛が合法となった。2001年には中華医学会精神病学分会が同性愛を精神障害から除外した。中国の国会に当たる「全国人民代表大会」は19年、国民から最も要請の多い立法の一つが同性婚の合法化だと認めていた。

中国に特化した市場調査会社「ダシュエ・コンサルティング」によると、19年には中国で性的少数者を自認する人は7500万人と、総人口の5%を占めていた。

最近の中国の動向について、BBCは「民主化運動やインターネット上での反体制派の抑圧と共に、LGBTQ権利活動の範囲もここ数年で狭まっている」と報道。「21年には中国の若い男性が『女性的』になりすぎていると教育部が通達した」と紹介した

通達は「生徒の男らしさを育てる」という観点から、引退したスポーツ選手やスポーツ経験者を学校当局が採用し、サッカーなど特定のスポーツを「精力的に発展させる」よう助言。中国の放送規制当局もこの年、エンターテインメント番組における「女々しい」美的感覚を禁じるとし、「下品なインフルエンサー」を避けるべきだとの見解を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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