中国人が日本で起業するのは「悲」それとも「喜」?―華字メディア

Record China    2023年8月6日(日) 22時0分

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4日、日本華僑報網は、日本での起業を夢見る若者たちに注意を促す文章を公開した。資料写真。

2023年8月4日、日本華僑報網は、近年出生率の低下やハイエンド分野の人材不足等の問題解決のため、海外から人材を呼び込む政策を打ち出している日本を、人工知能(AI)関連分野におけるブルーオーシャンと見なして、起業を夢見る中国の若者たちに注意を促す文章を公開した。

記事は初めに「海外で自らの事業を開拓する事は良い事だけとは限らない」として、中国人が日本で起業する際に若者たちが注意すべき2つの点を挙げた。一つ目は日中両国のビジネス環境の違いや、会社設立などの手続きで明確な差があることで、「中国は2014年から『多証合一(複数の許可証を1つにまとめる)』や最低資本金額の制限を取り消し、登録資本の登記条件を緩和し、引受資本を登記する制度に改めるなど、会社設立の手続きや資本登録制度の改革措置を講じて、利便性の向上と簡素化に努めてきた」「日本は会社設立には非常に複雑な手順を踏まなければならない。敷居が高く、関連法規も多い。まず初めに日本の在留資格と、在留が認められるだけの必要な知識や技能、安定した生計の基礎を持っていなければならない」「税務登記の面でも、中国と違って日本は独立した手順を踏み、細かい情報を提供しながら、単独で進めなければならない。と同時に日本の厳格な知的財産権の規定に沿って、特許や商標登録の申請もしなければならないため、さらに時間とお金がかかる」「資本金の登録にも明確な規定があるため、中国での会社設立の経験をそのまま応用することはできない」と紹介した。

二つ目は、人工知能(AI)に関する領域で、競争力が中国や米国ほどではない日本では、十分な資金提供や融資を受けるのが難しいことで、「日本が市場の伸びしろがある『ブルーオーシャン』に見えるのは、日本ではその分野に活力が不足していて、人材の数や市場の奥行に限度があるためで、ベンチャーキャピタル(VC)から十分な資金を提供されるとは限らない」「AI分野に限って言えば、中国では23年上半期でAI分野の融資案件が月平均で48件あり、その内エンジェル投資家が59件、シリーズAラウンドが57件、戦略的融資案件が38件あり、設立間もない会社でもベンチャーキャピタルからの資金提供を得やすい環境と市場が存在する」「日本では関連するデータが公表されておらず、AI分野のビジネスでは特に大きな投資案件が出現した様子もない。ソフトバンクグループの孫正義CEOが『日本はAI後進国になった』とコメントするほど、投資の機会には恵まれておらず、投資熱もそれほど高くない。設立したばかりの会社が短期間で銀行から融資を受けるのも簡単ではない」と紹介した。

記事は最後に「夢に国境は関係ない。だが夢を実現する前に、日本の産業動静や市場傾向、設立の手続や経営の関連法規、財務要件や投資家の好みなどをできる限り理解し、研究する準備は欠かせない。ブルーオーシャンを見据えるならば、同時にリスクマネジメントもやっておいてこそ、日本で堅実に足元を固め、ビジネスを開拓していくことができるだろう」と述べた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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