高齢者や子供向けの「コミュニティー食堂」がなぜ中国の若者に人気?

人民網日本語版    2023年8月2日(水) 15時30分

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フードデリバリーは飽きてしまったものの自炊する時間はないという若者が、コミュニティーにある「隠れ家食堂」に目を向けるようになっている。

中国の「社区食堂(コミュニティー食堂)」はもともと高齢者にサービスを提供するために設置された。しかし、さまざまなタイプのコミュニティー食堂が続々と登場し、最近では「家庭の味」を売りにした食堂も登場し、利用する若者がどんどん増えている。フードデリバリーは飽きてしまったものの自炊する時間はないという若者が、コミュニティーにある「隠れ家食堂」に目を向けるようになっている。

SNSの微博(ウェイボー)で最近、「メディア専攻の大学院修了者が仕事を辞めてコミュニティー食堂経営」というハッシュタグが付いた話題が検索トレンド入りした。その後、オーナーの何花さんが経営する「大餐社区食堂」には、多くの若者がうわさを聞いて駆けつけ、写真を撮影したり、食事をしたりしており、何さんに起業のノウハウを聞く人もいるという。同店はセルフサービス形式で、高齢者の場合10元(約200円)、一般客は15元(約300円)でおかず4種類を食べることができ、さらにスープも付いてくる。とてもリーズナブルなため、1日に約150食売れるという。

靳翔鷺さんは、全ての年齢層の客を対象にしたコミュニティー食堂を経営しており、年齢層別に「コミュニティー店」と「商業圏店」を開設している。

靳さんは、「『コミュニティー店』では、放課後の小学生が親を待つことができる。子供は親が予約時に登録した携帯電話番号を伝えれば、ここで食事をしたり、宿題をしたりできる。一方、『商業圏店』では、サラリーマンに『家庭の味』を楽しんでもらっている。その他、専門の栄養士にメニューを考えてもらい、体形を気にしている若者を対象に、甘さ控えめや油控え目のセットコースを提供している」と説明する。

北京や上海といった一線都市では、一部のコミュニティー食堂がいち早くネット上で話題となり、多くのネットユーザーが足を運ぶようになっている。企業情報サイトの企査査のデータによると、「コミュニティー食堂」を登録している企業数はすでに4000社以上となっている。口コミサイト・大衆点評のアプリを見ると、「コミュニティー食堂」のブランド名がたくさんあり、チェーン店やフランチャイズ店が続々とオープンしているようだ。

「コミュニティー食堂」はなぜ若者の間で人気になっているのだろうか?北京市朝陽区にある「百味隣里コミュニティー食堂」の近くには食品市場があり、早朝その市場で買い物をすると、同食堂でバラエティーに富んだ朝食を食べることができる。近くの会社に勤務している王楠さんは、コミュニティー食堂で食事をする主な理由について、「オープンキッチンであるため、どんな食材を使っているかを見ることができて安心。コミュニティーが責任を持って食品の安全性をチェックしてくれている。それに、家には子供がおり、仕事もしているので、自分で食事を作る時間がない」と説明する。

SNSには、「おかず7~8種類で18元(約360円)だった」「1人12元(約240円)で食べ放題」といったコミュニティー食堂関連の書き込みがあり、多くの若者がそうした書き込みに注目している。

「大餐社区食堂」を経営する何さんは、「私と同僚は以前、昼食として鶏料理の黄燜鶏やケンタッキーフライドチキン、麻辣香鍋(野菜や肉を炒めたピリ辛料理)、または半調理製品などをもっぱら食べていた。若者はそのような食べ物に飽きたほか、健康のことも気にするようになり、コスパにも注目するようになったため、高齢者向けのコミュニティー食堂が人気になっているのではないか」と分析する。 (提供/人民網日本語版・編集/KN)

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