CO2大幅削減目指す中国で「電力トレーダー」誕生、電力市場の需給導き出し取引・提案

Record China    2023年7月29日(土) 7時0分

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CO2 排出量の大幅削減を目指している中国で「電力トレーダー」という職業が誕生。発電所の稼働状況などの分析を通じ、各時間帯の電力市場の需給状況を導き出すことで取引もしくは提案を行う。

大気中に排出されるCO2(二酸化炭素)排出量の大幅削減を目指している中国で「電力トレーダー」という新たな職業が誕生した、と国営メディアが伝えた。地域経済の活動ぶり、天気、発電所の稼働状況などの分析を通じ、各時間帯の電力市場の需給状況を導き出すことで取引もしくは提案を行う。

中国網によると、昨年末現在の中国の再生可能エネルギー設備容量は12億kW超で、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、建設中の原子炉の設備容量でいずれも世界一になっている。社会全体でクリーンエネルギー発電を優先的に消化する中、従来の火力発電所は市場の需要に正確に合わせて発電量を計画する必要がある。

晋控電力同華山西発電有限公司で働く電力トレーダーの劉一凡氏は「以前の電気料金は固定されていたが、現在は電力のすべてが現物市場で取引されており、市場の需給によって料金が変動するようになった」と説明する。

同じ電力トレーダーだが、劉一凡氏は火力発電所の売電の収益をさらに高めるのが仕事で、売電企業で働く張師氏は安く購入し取引先に販売するのが仕事だ。

山西省長治市で、建築省エネ・排出削減コンサルタントの楊振強氏は7000平方メートル弱のオフィスビルの省エネ・排出削減改修プロジェクトへの提案に追われていた。「改修後は暖房費が毎年約24万元(約480万円)減り、電気料金は約11万元減る」という。

建築省エネ・排出削減コンサルタントは、中国人的資源・社会保障部が昨年発表した18の新職業の一つだ。省エネ・排出削減技術により、建築物およびその置かれている環境などの評価・調節・改修などを担当する。

中国の全国炭素排出権取引市場は2021年7月16日、正式に取引を開始。各業界が徐々に全国炭素市場に進出し、炭素排出計算員を含む人材の需要が持続的に増加している。中国石油・化学工業連合会産業発展部の李永亮副主任によると、第14次五カ年計画期間(21~25年)中に中国が必要とする人材は55万人から100万人に上る見込みだ。

中国が産業のグリーンで低炭素なモデル転換を着実に進める中、グリーン新興人材の育成も速やかに行われている。教育部は昨年、「ダブルカーボン高等教育人材育成体制建設強化活動案」を通達し、グリーンと低炭素の理念を教育体制に組み入れた。複数の大学がカーボンニュートラル学院を設置し、専門人材の育成を開始した。

中国網は「将来的に省エネ・排出削減、環境保護コンサルティング、グリーンファイナンスなどの分野でより多くの職業が誕生し、より多くの人材の雇用を支えることになる」とも報じた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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