最新作「君たちはどう生きるか」に大反響、宮崎駿監督の後継者となるのは誰か―中国メディア

Record China    2023年7月22日(土) 21時0分

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20日、中国メディアの環球網は宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について複数の角度から評論を展開。宮崎監督の後継者についても触れた。写真は三鷹の森ジブリ美術館。

2023年7月20日、中国メディアの環球網は、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について複数の角度から評論する文章を掲載。宮崎監督の後継者についても触れた。(※本記事はネタバレを含みます)

文章は最初に「日本のアニメの巨匠・宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』が14日についに公開。10年の月日は世界中のアニメファンにとっては長いものであった。以前よりうわさされてきた同作は再び反戦と成長をテーマにしており、公開まで一切宣伝なしの戦略により大きな謎に包まれていた」とした上で、「同作を鑑賞した人々は『見ても理解できない、しかし衝撃を受けた』というように、あまりに難解なストーリーは論争を引き起こしている」と伝えた。

その上で、「同作が公開される前、宮崎監督の最新作について知られていたのは、日本の作家・吉野源三郎氏の1937年の同名小説と、アオサギが描かれたポスターのみであった。従来のマーケティングとは大きく異なり、スタジオジブリは同作のリリースに際して、あえて謎を醸し出すことで人々の注目を集めた。公開後、同作は同名小説のタイトルと少年の視点を借りるのみで、その他ストーリー、登場人物、時間軸のほとんどがオリジナルだったことが初めて判明した」と述べた。

文章は同作の興行収入に触れ、「東宝のデータによると18日時点で、同作の累計興行収入は23億7800万円に達し、公開後4日間の観客動員数は135万人を超えた。『千と千尋の神隠し』の公開後4日間の興行収入をも超え、初週末3日間の興行収入はスタジオジブリ史上の好発進で、2004年の『ハウルの動く城』(14億8000万円)を超えた」と説明。米メディアのThe Hollywood Reporter(ザ・ハリウッド・レポーター)が「日本の映画市場は従来、スロースタート傾向であるため、封切り上映の爆発的ヒットよりも長期的な興行収入が重要であり、同作の動向は観察の余地がある」と伝えたことを紹介した。

また、「同作への二極化した口コミは日本や海外の興行収入に影響を与える可能性がある。日本の映画情報サイト・映画.comでは、同作の評価は現時点で3.4(満点は5)で、多くのネットユーザーが『難解だが衝撃を受けた』と語っている。毎日新聞が新宿の映画館入り口で取材したところ、27歳の観客は『宮崎作品の最高傑作。1度だけ見ても消化しきれないので、もう一度見ないと』と回答した」と伝えた。

文章によると、米国の科学技術系ウェブサイトにも口コミが掲載されており、「同作は母親の死に起因する回想であり、それぞれのシーンの細部も壮大なテーマも豊かで幻想的だ。82歳の宮崎監督は同作を通して人間性の複雑さを思索し、普通とかけ離れた家族やファンタジー要素を登場させることでテーマの重さを軽減した。そして、アニメーションによる無限大の魅力を発揮し、観客はまるで主人公の少年と対話をしているかのようであった」と評されたという。

文章は宮崎監督の引退についても言及。「宮崎監督の経歴や作品に詳しいファンからすれば、同作は明らかに自伝的な要素を備えている。宮崎監督が引退発表後に新作を発表するのは初めてではなく、引退復帰後の作品は神作になるという法則もある。1997年の『もののけ姫』公開後、宮崎監督は引退を考えていた。加えて2013年にも『風立ちぬ』をリリースして引退を表明していた」とし、「同作の制作には10年もかけており、多くのファンが真っ先に映画館に行ったのは宮崎監督最後の作品になる可能性があったからだ。宮崎監督の引退後、一体誰が後継者になりえるか。この話題について、映画ファンやメディアはこの十数年間、さまざまな若手映画監督などの名前を挙げてきた」と述べた。

その上で、「今のところ、宮崎監督の長男・宮崎吾朗氏は経験を積んでいる最中で、最新作『アーヤと魔女』はあまり反響がなく、まだ父の真髄を受け継いでいないようだ。日本のアニメ界には現在、『天空の城ラピュタ』や『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに参加した庵野秀明氏、仮想世界をテーマとした『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』で好評を博した細田守氏、『君の名は。』や『すずめの戸締まり』などで国際的に知られる新海誠氏、そして独特の雰囲気で知られる『犬王』などを制作した湯浅政明氏などもいる。日本のアニメ産業の成熟したシステムと豊富な人材は、宮崎監督を受け継ぐには十分であるが、誰が真の“後継者”となるかは定説がない」と総括した。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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