北朝鮮・金与正氏、「大韓民国」使用、「敵対国関係と見なすことを意味?」と主要紙

Record Korea    2023年7月14日(金) 13時0分

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北朝鮮の金与正・朝鮮労働党副部長は韓国を非難する談話で「大韓民国」と表現。主要紙は「南北関係を通常の敵対国関係と見なすことを意味するのかも」と警戒感をあらわにした。写真は北朝鮮。

北朝鮮金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は発表した韓国を非難する談話で、2日連続して「南朝鮮」ではなく「大韓民国」という言葉を使った。韓国紙は「『同じ民族』という特殊な関係だった南北関係を通常の敵対国関係と見なすことを意味するのかもしれない」と警戒感をあらわにした。

韓国・聯合ニュースによると、与正氏は10日と11日に発表した2件の談話で、米空軍の偵察活動を非難しながら、その正当性を主張した韓国を「大韓民国」と呼び、「『大韓民国』の合同参謀本部」「『大韓民国』の軍部」などと表現した。

「大韓民国」や「韓国」は、これまで与正氏の談話はもちろん北朝鮮のメディア報道や公式文書でも使われていなかった表現だ。北朝鮮は通常、韓国を「南朝鮮」、または非難の意味を込めて「南朝鮮かいらい」などと呼んでいた。

聯合ニュースは「与正氏が兄の金正恩(キム・ジョンウン)氏の『委任』を受けて発表した談話で『大韓民国』という表現を使ったことから、北朝鮮が韓国を『別の国』と見なす姿勢を鮮明にしたとの分析が出ている」と報道。朝鮮半島情勢の悪化に伴い対韓・対米交渉の見通しが暗くなり、北朝鮮の政策が協力を通じた関係変化の模索から「敵対的共存」に主眼を置く「二つのコリア(Two-Korea)」政策へ変化したとの見方だ

韓国・北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)総長は、与正氏が韓国を「大韓民国」と表現したことは北朝鮮の「2国家体制」政策の表れだとし、「今回のことを北と米国の間の問題だと規定したように、この先、朝鮮半島問題について大韓民国と協議しない、相手にしないという意思がにじんでいる」と述べた。

今回の表現変更について、朝鮮日報は社説で「南北は1991年に採択した基本合意書で南北関係を『国と国との関係』ではなく、『統一を目指す過程において暫定的に形成される特殊な関係』と見なしてきた」と言及。「北朝鮮がこの特殊な関係を否定し始めたとすれば、これは今の分断状態を永続化し、統一に向けたいかなる交渉も拒否する考えであることを意味する。同時に金氏王朝永続化の意図もあるだろう」と付け加えた。

さらに「北朝鮮が『大韓民国』という表現を使ったことは『同じ民族』」として最低限の配慮も今後はしないことを意味する」と指摘。「まさか同じ民族に核兵器を使うわけはないと考えるなということだ」と注意を喚起した。

その上で社説は「今後は核問題・ミサイル問題における南北次元での交渉はすべて拒否し、新たな挑発を敢行する可能性も考えられる。哨戒艦『天安』爆沈のように証拠の確保が難しい挑発、あるいは新たな核実験などもあるかもしれない」と予測。「いずれにしても北朝鮮の意図を引き続き詳細に分析し、これに対応していかねばならない」と警鐘を鳴らした。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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