海南省が商用海底データセンターを建設、なぜ海底か?―中国

人民網日本語版    2023年7月12日(水) 10時30分

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海南省の陵水リー族自治県で3月31日、海南陵水海底データセンターが海中に設置された。

水資源の消費ゼロ、従来のデータセンターより40%以上省エネ、コアルーターからユーザーのネットワークまでの遅延が平均14ミリ秒、ネットワークの機能がインターネットデータセンターの最高レベルを達成……6月28日に行われたモバイルワールドコングレス(MWC上海では、海南陵水海底データセンターの上半期運営報告書が発表された。同プロジェクトは稼働開始以降、業務運営が良好で、各種指標が安定しており、現在すでに中国電信(チャイナ・テレコム)を含む企業9社と協力契約を結んでいる。人民日報が伝えた。

海南省の陵水リー族自治県で3月31日、海南陵水海底データセンターが海中に設置された。データセンターを海底に設置するのはなぜだろうか。どのような技術的難題を克服する必要があるだろうか。生態環境や現地の発展にどのような影響を及ぼすのか。これらの疑問を持ちながら、陵水に位置する海底データセンター岸ステーションを取材した。

海底データセンター海南モデル開発プロジェクトマネージャーの蒲定氏は、「陸上の1万台のラックを例にすると、同等の計算力の海底データセンターは毎年1億7500万kWhの電力を節約し、建設用地面積を9万8400平方メートル節約し、淡水を15万トン節約できる。また、圧力と湿度が一定に保たれたデータモジュール内の無酸素・無塵の環境はサーバーの信頼性を大幅に高める。データセンターの効果的な稼働には持続的かつ効果的な放熱が必要だ。サーバーを海底データモジュールに設置すれば、海水を自然な冷却源にすることができ、水、電力、土地を節約し、安全性と計算力が高く、スピーディーな配置を実現する」と述べた。

蒲氏はデータセンターを陵水海域に設置する理由について、「自由貿易港の建設はデータの安全で秩序ある流動に対して要求を突きつけている。海南省は気温が高く、淡水資源が相対的に不足し、陸上データセンターのランニングコストが高すぎる。陵水は国際海底ケーブル上陸ステーションで、清水湾海域は海南東部湧昇流の範囲内にある。沿岸部の海水温度は24.5℃以下で、サーバーをより効率的に稼働させることができる。そのため、チームは海南環島海域で1年間の全島スクリーニングを行い、最終的に陵水を選んだ」と述べた。

陵水海底データセンターは岸ステーション、水中サブ発電所、水中データセンターモジュール、海底光電気複合ケーブルの4つの部分から構成される。岸ステーションの敷地面積はわずか数百平方メートルで、作業員は10人未満。蒲氏は「これも海底データセンターの優位性の一つだ。スマート遠隔操作システムを通して、運用保守者の日常的な点検作業を減らし、ランニングコストを下げられる」と述べた。

中核設備である海底データモジュールの単一タンクは円柱型で、重さは1300トン(基礎部分を含む)に達し、自動車1000台分の重さに相当する。データセンターの設置先は海岸から3キロメートル以上離れており、応用水深は40メートルを超え、構造の設計寿命は25年。

サーバーは水に最も弱いが、海底に設置される以上、防水・密封が自ずと鍵を握るようになる。蒲氏は、「タンクを密封する際に、すべてのボルトの順序と方向をミリメートル級にしなければならない。そのため操作マニュアルを特別に作成した。チームは研究開発の段階で、回収可能な水中ポンプモジュールの設計や、超大直径カバーフランジの水中密封の安全性など技術的難題を相次いで解決した」と述べた。

陵水県党委員会の呉海峰書記は、「陵水海底データセンターモデルプロジェクトは、『計算力の優位性+データの越境+現地のシーン+人材供給』の産業論理を利用し、資本を誘致し、イノベーション要素を集め、陵水の産業モデル転換の重要な下支えになる。同時に海南自由貿易港のデータの安全で秩序ある流動、デジタル経済の質の高い発展にサポートを提供する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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