男性2人が主人公の中国サスペンスドラマ「光・淵」が、動画配信サービスから削除されたことが分かり、2021年にスタートしたブロマンス禁止措置が強化されたことの表れともみられている。

チャン・シンチョン（張新成）とフー・シンボー（付辛博）が主演の「光・淵」は、人気作家Priestの「默読」を映像化した全30話の現代サスペンスドラマ。今年2月18日に優酷（YOUKU）で配信スタートし、8話まで公開されていたがその後は更新されることなく、5カ月を経てこのほど全削除されたことが分かった。

中国では、ブロマンスの武侠ファンタジー時代劇「陳情令」と「山河令」が立て続けにヒットしたが、その熱狂ぶりに釘を刺す「耽改禁令」と呼ばれるブロマンス禁止措置が話題になったのは21年のこと。中国共産党中央委員会傘下の中国紙が、ブロマンス作品の広がりを問題視する記事を掲載したのがきっかけだった。

今年1月、完成から2年を経過して、ジン・ボーラン（井柏然）とソン・ウェイロン（宋威龍）主演の「君子盟」が、内容を大幅に削除した形ながらも騰訊視頻（テンセント）で何の前ぶれもなく配信をスタート。続いて2月に「光・淵」が急に配信を開始したことで、「耽改禁令」の緩和ムードも注目されていた。

しかし今回、「光・淵」が全削除されたことは、ブロマンス禁止措置の強化の表れであり、完成後に配信のめどが立たず眠ったままの作品に対する“死刑宣告”ではないかという見方がネット上でも広まっている。なお、配信が待たれるブロマンス作品には、レオ・ロー（羅雲熙）とチェン・フェイユー（陳飛宇）主演の「皓衣行」はじめ、ワン・アンユー（王安宇）とファン・チョンチョン（范丞丞）主演の「左肩有你」、タン・ジエンツー（檀健次）とチェン・ジョーユエン（陳哲遠）主演の「烽火流金」、チェン・シンシュー（陳星旭）とチェン・ムーチー（陳牧馳）主演の「山河表里」などがあり、ニュースサイト・捜狐（SOHU）によると情報が確かなものだけで約20作品を数える。（Mathilda）