<期限切れ肉問題>グローバル企業はなぜ、安全基準を統一しないのか―中国メディア

Record China    2014年7月26日(土) 19時44分

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25日、中国の食品会社が期限切れ肉を使用していた問題で、中国メディアは多国籍企業の「バラバラ基準」が問題発生の一因だと指摘した。写真は上海。

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2014年7月25日、日本マクドナルドはこのほど、国内で販売するチキンマックナゲットに期限切れの鶏肉が混入している可能性があるとして、販売を停止することを明らかにした。マクドナルドやケンタッキーといった多国籍ファストフード大手の食品安全問題は多くの国でしばしば発生しており、これらの企業が世界規模で統一的な食品安全基準を設定していないことが問題発生の大きな要因だと考えられる。

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▼多重基準で問題が頻発

ここ数年来、多国籍企業は外食産業だけでなく、家電、自動車、携帯電話、日用品、医薬品といった消費者の生活に密接に関わる産業において、国によって基準を使い分けるということをしており、ここから品質とサービスをめぐるさまざまな問題が発生している。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは2011年にベビーシャンプーの成分を改良し、有毒物質を取り除いたが、改良後の製品を販売したのは英国、日本、デンマークフィンランドスウェーデンノルウェーオランダ、南アフリカの8カ国だけで、中国、米国、カナダ、インドネシア、オーストラリアなどでは有毒物質が入った旧成分の製品を売り続けた。

アップルサムスンもでたらめばかりで、世界各地の消費者を悩ませ続けている。アップルの本国・米国での販売価格は他の地域よりも低いことが多く、しかも消費者は2年間の無料メンテナンスサービスを受けられる。13年以前は、欧州連合(EU)の多くの国、中国、オーストラリアなどで無料のアフターサービスが受けられる期間は1年だけだった。

コーラはインドの人々の心に「しこり」を残した。数年前、インドで販売されるペプシ・コーラの農薬含有量がEUの規定する水準の30数倍に達し、コカ・コーラはさらに多く40数倍に達することが確認された。だが米国で販売されるコーラには問題になった農薬製品が入っていなかった。また、ロシアで販売されるマルボロ、ウィンストン、キャメルなど一連のタバコの風味は、ドイツ、フランス、米国やその他の先進国で販売される同一ブランドの製品に比べてはるかに劣り、化学合成添加物の味さえする。

それだけではない。多国籍企業の多くは問題ある製品をリコールする時に同一視せず、一部の国を「軽んじる」やり方を選択するのが常だ。

▼異なる基準、原因はどこに

「高級、大手、ハイレベル」が代名詞の多国籍企業だが、問題が頻発していることから、人々の中でイメージが大幅に低下している。多国籍企業の基準が国によって高かったり低かったりするのはなぜだろうか。

実際のところ、今では高い基準が適用される一連の国々も過去には痛ましい教訓となる出来事があった。品質の安全性や食品の安全性などの問題は、消費者の権利をしばしば侵害し、人々に強い不満を起こさせる。よってこうした国々は関連の法規・政策を改定したり充実させたりして、基準を引き上げてきた。これに応じて、多国籍企業の参入のハードルも上がり、一部の多国籍企業が混乱に乗じて利益を上げようとしても「ドアさえ開いていない」状態で、現地の高い基準を厳格に踏まえて手続きを進めるしかなかった。

対外経済貿易大学国際経済貿易学院の蒋先玲(ジアン・シエンリン)副院長は、「例えば日本では、多国籍企業がルール違反をすると、すぐに追い払われ、日本市場から閉め出されることになる。また、米国などの一部国家では、食品の安全性には非常に重要な位置づけがなされており、ルール違反のコストは非常に高くつく。虚偽が発覚すると、その企業は倒産の罰を受ける。こうした国々では生産額を追求する過程で品質に細心の注意が払われる」と話す。

これと同時に、一部の国では過去の発展・飛躍段階で、外資系企業による投資を奨励し、多国籍企業に一連の優遇政策を与えたことから、一連の多国籍企業が優遇を「超国民待遇」と誤解するようになり、製品の品質を偽るようになった。実際のところ、多国籍企業の最終的な目的は利益追求にほかならない。よって多国籍企業の貪欲なやり口は抑えなければならない。

▼基準を引き上げ、チェックを厳格に

問題が明るみに出ると、多国籍企業の多くは謝罪しないばかりか、「当社の製品は現地の基準に合致している」とか、「現地の法律政策には対応する基準がない」とかいったことを自信たっぷりに話す。こうした「甘やかされて堕落した」海外ブランドにどのように対応していくかは、熟考を要する問題だ。

蒋副院長は「一連の問題が発生した国では多国籍企業に対する監督管理がより厳格にならざるを得ない。多国籍企業に対し審査や選別を行い、品質のチェックを厳格にすることが必要で、ひたすら数だけを追求することはしない。多国籍企業の本国の基準、または世界と同一の基準を採用することを検討し、多国籍企業にこれを要求してよい。海外の多くの国の基準は一般的に高くはあっても低いということはなく、高い基準による多国籍企業の管理はこれからのトレンドでもある」と分析する。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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