中国の巨大な電子商取引市場けん引する「ライブコマース」、ライブ配信と販売活動を融合

Record China    2023年7月8日(土) 14時0分

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中国の巨大な電子商取引市場を「ライブコマース」がけん引している。ライブ配信と販売活動を融合させた取り組みだ。

中国の巨大な電子商取引市場をライブ配信と販売活動を融合させた「ライブコマース」がけん引している、とロイター通信が報じた。今年5月、そこに参入した米アップルは番組で携帯端末「iPhone」の大幅な値引きはせず、有名な司会者も用意しなかったが、大変な反響を集めることができた。

ロイター通信によると、アップルはそれぞれの商品の専門家たちが「iPhone」を使った動画制作方法やフィットネスに役立つ「Apple Watch」の使い方を紹介。1時間で30万件の「いいね」をもらい、130万人の視聴者を呼び込んだ。

これは中国のライブコマースが急激に進化していることを物語る。価格面での「大安売り」を柱に据えたのが当初のビジネスモデルだった。しかし、市場が細分化し、いわゆる「スーパー司会者」の起用でコストが跳ね上がる中で、有力ブランド企業の間でライブコマースの主導権を確保しようとする動きが強まっているわけだ。

さまざまなブランドの美容関連品小売りを手がけるボニー・アンド・クライドのウィリアム・ラウ最高経営責任者(CEO)は「プロモーションではなく、コンテンツに移行しなければならない。40%値引きするよりもコンテンツの確立に注力すれば、消費者からの反響はもっと大きくなり、売上高もついてくる」と指摘した。

調査会社eマーケターによると、昨年中国でライブコマースを通じた小売売上高は4800億ドル(約69兆円)に達した。今年は経済全体が苦境に陥っているにもかかわらず、そこからさらに30%増加する公算が大きく、ライブコマースの足場がいかにしっかりしているかが分かる。

代理店ロモモの幹部は「ブランド企業はライブコマースについて楽観的で前向きになっている。確固としたライブコマースのチャンネルを構築するのが重要だ。なぜならそれは大事な販売・対話ツールだから」と強調した。

ロモモはファッション専門の電子商取引企業バイ・クイックリー(百秋)の子会社で、ランコムやアンダーアーマー、ヒューゴ・ボスといったブランド向けに150人を超えるフルタイムの司会者を派遣している。

女性服ブランド「ba&sh」のアジア太平洋責任者ゼフィール・リュー氏は「商品と司会者のキャラクターの相性がぴったりなら、消費者は本当に使っているのだと信じてくれる。彼らは司会者が本心から勧めているか、ただ売ろうとしているかを見定めている」と説明した。

リュー氏によると、中国版TikTokと呼ばれる動画投稿サイトの「抖音」で、代理店派遣の司会者や「そこそこ」のインフルエンサーを使って販売をしてみた結果、ライブコマースは定価を提示しても効果があることが判明したという。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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