サムスン電子、2ナノ量産計画を公開、半導体競争は3ナノ以下の時代へ―中国メディア

Record China    2023年7月3日(月) 8時30分

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30日、環球時報は韓国の半導体大手サムスン電子が2ナノ量産計画を公表したことを受けて、「3ナノ以下の生産競争が激化する」と伝えた。

2023年6月30日、中国メディアの環球時報は、韓国の半導体大手サムスン電子が25年に本格的に回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体製品の量産に入る計画を公開したことを受けて、複数メディアの報道を引用し、「3ナノ以下のファウンドリ工程の競争が激化する」と伝えた。

記事は初めに、サムソン電子の2ナノ量産計画について、韓国メディアの報道を引用し、「28日に米シリコンバレーで開催した『サムスン・ファウンドリ・フォーラム2023』上で、サムスン電子は具体的な2ナノ半導体製品の量産計画とタイムスケジュールを発表した。25年にモバイル用から量産を開始し、26年には『ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)』の高性能機器に2ナノ製品の工程を適用、27年には車両向けの半導体工程へと拡大する予定」「同社のデバイスソリューション部門を率いるKye Hyun Kyung(キーヒュン・キョン)氏は、韓国科学技術院(KAIST)での講演内で同社のファウンドリ技術が台湾のTSMCに遅れを取っていると認めた上で『5年以内にTSMCを追い越す』と話した」と紹介した。

次に記事は最近の半導体業界の動向について、各国メディアの報道を引用し、「サムスン電子に追いかけられる形となったTSMCの魏哲家(ウエイ・ジョージア)CEOは、4月下旬に2ナノメートルの製造プロセスの進捗は順調で、予定通り24年に試験生産、25年に量産に入る予定だと公表している」「米インテルは、業界最先端のプロセスルールとされる『Intel 18A』の開発を完了し、24年下半期に量産化を予定していると公表している。インテルは21年に『ナノメートル(nm)』を使った世代表記をやめたが、『18A』とは1.8ナノメートルに相当するほどの技術革新とも言える」「日本ではトヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど8社が出資しているRapidus(ラピダス)が、5年後の27年から2ナノ製品を量産する目標を掲げ、米IBMと提携している」「半導体回路の線幅を意味するナノメートルの単位が小さくなるほど、同じ大きさのウェハーからより多くのチップを生産することができ、低電力、高性能、超小型半導体を作ることができる。2ナノは3ナノに比べて性能が12%、電力効率が25%向上し、面積が5%減るという」「現時点で広く量産されているのは5ナノで、技術的な難易度は高まっており、TSMCとサムスン電子の2社だけが量産を実現している。3ナノについては、サムスン電子の技術力がTSMCと比べて1年遅れているとみられていたが、サムスン電子は昨年6月に、電流を効率的に制御できる『ゲートオールアラウンド(GAA)』と呼ぶチップ構造の技術を、3ナノ半導体の量産に導入した。TSMCは25年の2ナノ工程からこの技術を適用する予定で、2ナノの量産が本格化する25年にはサムスン電子とTSMCの差がなくなるとみられている」と説明し、3ナノ以下のファウンドリ工程の競争が今後激化すると指摘した。

記事は「3ナノ以下のファウンドリ工程の競争が激化する理由」を2つ挙げた。一つ目は「市場の利益の見通し」で市場調査機関の「オムディア」の予測によると、世界の半導体市場規模は2023~26年の間に5528億ドル(約798億円)から7162億ドル(約1034億円)まで拡大し、年平均で9.1%成長するという。その内ファウンドリ市場は1202億ドル(約173億6000万円)から1879億ドル(約27兆1384億円)まで拡大し、年平均で12.9%の成長を遂げ、特に3ナノ以下の工程はファウンドリ売上全体の8~24.4%を占め、645億ドル(約9兆3157億円)に達するという。

二つ目は「引き返せない危機感」で、仏調査会社ヨールのデータによると、02~03年の130ナノが半導体の主流だった頃は、日本企業10社を含む26社が競争していたが、約10年後の28~32ナノの頃には10社に減り、日本企業は全て脱落したという。そして5~7ナノ主流の現在も競争に残っているのは、TSMC、サムスン電子、インテルの3社だけとなっており、「2ナノ量産で先を行くことは、最先端チップ市場の価格決定権を掌握することを意味し、引き返す余力まで残さず注力するだけの甲斐がある莫大な利益と、業界での優位性を企業に担保することになる」と論じた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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